2021.4.17 12:00

【球界ここだけの話(2296)】阪神の大砲は佐藤輝だけではない 井上広大が得た引き出し

【球界ここだけの話(2296)】

阪神の大砲は佐藤輝だけではない 井上広大が得た引き出し

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 規格外のD1位・佐藤輝(近大)だけではない。虎の大砲はもう一人いる。高卒2年目のシーズンを迎えた阪神・井上広大外野手(19)が14日、ウエスタン・リーグのオリックス戦で京セラドームの5階席に着弾する特大アーチを放った。

 「真っすぐに対して刺されているというか、芯でとらえて返すことができていなかったので、振り遅れない準備だけ意識して臨みました。気持ちよかったです」

 自画自賛の一発は4-5で迎えた九回。K-鈴木の150キロの直球を完璧にとらえた。左翼席へ一直線に弧を描いた打球は同点の2号ソロ。「追い込まれたときに足を広げていたのを若干小さく。力が逃げないように。足のリズム、歩幅を一番工夫した」と打席での対応力が光った。

 今季は1軍春季キャンプに初参加。しかし、終盤に左膝を負傷した。シーズンに向かって順調に歩みを進めていた中、突然訪れた試練のとき。焦る気持ちはもちろんあった。それでも「この期間をしっかり大事に。体を強くするのと打撃のことで悩める時間になる」と前向きに捉えてきた。レベルアップした姿でグラウンドに舞い戻る-。

 積極的にトレーナーと話をし、手から股関節に至るまで体全体の使い方を学び、自らのバッティングを見直した。

 「今までとまた違うバッティングが出てくると思う。今できることはそういうこと」

 リハビリ中に語っていた若虎の心構え。特大アーチで見せた対応力は、バットを握ることができない時間で得た引き出しがもたらした成果でもある。苦しんだからこそ、また一つ強くなることができた。

 「打てない打席もある中で、過程というものを大事にしていけたらいいなと思っています。アウトのなり方だったり、そういうものをもっと大事にしていけたら」

 鳴尾浜でも将来性豊かな大砲が育っている。井上と佐藤輝-。夢のクリーンアップが実現する未来は、そう遠くないはずだ。(原田遼太郎)