2021.4.1 12:00

【球界ここだけの話(2281)】教え子から見た、セガサミー・西田監督のすごさ

【球界ここだけの話(2281)】

教え子から見た、セガサミー・西田監督のすごさ

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
西田真二監督

西田真二監督【拡大】

 東京・八王子。この地に名将と呼ばれる男がいる。セガサミー・西田真二監督だ。昨年、就任初年度にしてチームを都市対抗ベスト4に導いた。2007年から一昨年(2019年)までは四国IL・香川を指揮。香川在任13年間では24人もの選手をNPBに送り込み、5度のリーグ優勝、3度の独立リーグ日本一を達成した。

 名将は記者にとっては恩師でもある。2015年から2018年までの4シーズン、西田監督の下でプレーをした。そんな教え子から見た、名将たるゆえんをたくさんある中から2つ挙げてみた。

 1つは打撃のアドバイスが実に的確ということだ。現役時代、91年には広島の4番としてリーグ優勝に貢献するなど、天才的な打撃技術は球界でも一目を置かれていた西田監督。記者の打撃を激変させた言葉がある。「打つ前にあらかじめ打球方向を決めろ」。

 それまでは「とにかく来た球を強くたたこう」と今、思い返すとぼんやりとした考えで打席に入っていた。それが「内角の甘い球(通称・ウチアマ)を思いっきり一、二塁間へ引っ張ろう」と具体的に変わったのだ。曖昧だった打撃は明確になり、打席内での余裕も生まれた。

 もう一つは短期集中型の自主性を重んじる練習だ。野球の練習は大抵、朝に始まって、日が暮れるまで行うものだ。しかし、香川は違った。午前9時から始まる全体練習は、正午過ぎには終了する。その後、昼食でうどんを食べ、午後からは選手おのおのが、ウエートトレーニングや個別の自主練習、コンディショニング調整に時間を充てるといった流れだった。さまざまなチームを経験してきたが全体練習は香川が一番短かった。それでも、野球選手としての伸びしろは香川時代が最もアップした。もちろん練習量の多さも大切だが、自発的に行う練習がどれほど重要なのか身をもって教えてもらった。

 「あとは社会人野球(で優勝する)だけなんよ」。これまで社会人野球を除く高校、大学、プロ野球(NPB)、独立リーグで選手、監督として日本一を経験してきた西田監督。残す日本一は社会人野球のみとなっている。

 昨季の都市対抗では準決勝で優勝したホンダを相手に延長タイブレークの末、惜敗。黒獅子旗(優勝)まではあと一歩のところだった。前人未到の“5階級制覇”へ、西田監督ならやってくれるはずだ。悲願の社会人野球日本一へ、今年も西田セガサミーから目が離せない。(加藤次郎)