【番記者プロデュース】
「(ヘッドの姿を見て)誰からも手を差し伸べてもらうことなく、自分で勝ち取っていくのがこの世界なんだというのを感じました」
36歳シーズンだった07年、巨人からFAで鷹に復帰。プロ2年目だった本多コーチにとって、全てが生きる教材だった。今年の1月15日、ヘッドコーチに就任し、初めて筑後のファーム施設で汗を流す若鷹たちの練習を視察。「メモを取りなさい」と金言を送った。本多コーチも、その教えを守る1人だ。
「自分はベンチにメモ帳を持っていっていました。配球とか投手のクセとか、箇条書きで。それは全部財産となって、自分を助けてくれるので」
指導者となった今、本多コーチも選手にメモの大切さを訴えている。受け継がれていくホークスの強さの中心に、小久保ヘッドがいる。
★痛みこらえて2000安打
小久保ヘッドは2012年6月24日の日本ハム戦(当時ヤフードーム)で通算2000安打を達成した。しかし残り1本としていた5月25日に椎間板ヘルニアが判明し、登録抹消。痛みと戦いながら1軍復帰初戦に記録を達成した姿に、チームメートだった本多コーチは「小久保さんの人柄から見ると、腰の具合もきつかったと思う。きついながらも『みんなに迷惑をかけるなら…』というものがあったと思います」と振り返った。