2021.1.29 12:00

【ベテラン記者コラム(101)】キャンプにハプニングはつきもの、今年はどうなる?

【ベテラン記者コラム(101)】

キャンプにハプニングはつきもの、今年はどうなる?

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 プロ野球はまもなくキャンプイン。今年は新型コロナウイルス感染再拡大の影響でキャンプ会場は無観客となり、沖縄県も宮崎県も例年とは違う光景となりそうだ。取材する記者も選手や球団関係者と接触する機会が制限され、話を聞くのもほとんどがオンライン。球団からは外食も控えてくださいとの要請も出ている。キャンプ地で突然事件が発生したらどうするのだろう。

 たとえば、1992年。当時、近鉄バファローズの1軍はサイパン島でキャンプを張っていた。巨人や阪神と違って担当記者の数も少なく、みんな短パンにサンダルで日焼けしながら取材…。そこに突然お相撲さんがやってきた。大相撲初場所で史上最年少優勝を果たして当時人気絶頂だった貴花田(のち横綱貴乃花)と兄の若花田(のち横綱若乃花)が千秋楽翌日に日本を発ち、サイパンにやってきたのだ。

 近鉄担当の記者とカメラマンは野球選手そっちのけで、若貴兄弟が泊まったホテルに集合。兄弟が海水浴したりするのを見届けることになった。なにしろそのころの若貴人気はすごかったから、そりゃあ近鉄をほうり出すのも無理はない。

 近鉄担当からの連絡を受け、当時相撲担当見習いだった私もデスクから「すぐにサイパンへ行け」と指令を受け、●十万の札束を渡され、成田空港へ。空港のカウンターで現金でチケットを買って飛行機に乗った。今では考えられないが。

 サイパンに着くと、初対面の近鉄担当の先輩にあいさつしてバトンタッチ。若貴兄弟がゴルフをしたりするのを記事にし続けた。数日の滞在が終わり、若貴と相撲担当は帰国することに。近鉄担当の方々はやれやれやっと平和な日々が戻ってくるとひと息ついたのもつかの間、若貴を乗せた飛行機がサイパンに引き返してきた。

 実は機内で急病人が出たため、空港に戻ることになったのだ。急病の女性を運ぶのを貴花田が手伝ったりして、機内もかなりざわついた。近鉄担当の先輩は再び野球場を離れ、今度は病院へ向かうことに。お疲れさまです。この女性はバレーボール女子の元日本代表だったすごい方でした。

 というわけで、キャンプ地にいると、ときどき思いもよらぬ出来事が降ってきたりするものだが、コロナ禍の今年はどうなるのだろうか。閑散としたキャンプ地で食事の調達さえ厳しそうな後輩記者たちの奮闘を祈るしかない。(牧慈)