楽天の新人全7選手が21日、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区を訪問した。10年前に故郷の千葉で被災した経験を持つ、ドラフト1位・早川隆久投手(22)=早大=は震災メモリアル公園内の慰霊碑に献花。「胸に秘めながらやれたら」と8年ぶりとなるリーグ制覇への誓いを立てた。
◆「締め付けられるような感じ」
心の中で手を合わせ、祈りをささげた。早川は、押し寄せた8・4メートルの津波と同じ高さの慰霊碑に、言葉を失った。
「心をつかまれるというか、ちょっと締め付けられるような感じがありました」
3月11日で東日本大震災から10年を迎える。震災復興伝承館では、大津波の爪痕を目の当たりにし、復興の歩みを心に刻んだ。日和山に登り、いまだ復興半ばの周辺を目に焼き付けた。
◆小6の時、千葉で被災
2011年3月11日-。千葉外房の海沿いに位置する横芝光町出身の早川は、上堺小6年だった。日頃はのどかな街に津波が押し寄せ、沿岸にある実家は床下浸水し、避難所となった学校で一晩を明かした。
「下校中の時に、いとこが自分を車で拾ってくれて、自分はぎりぎり津波の被害を受けなかった。もし、自分がそのまま家に帰っていたら状況は変わっていたと思う」