2021.1.15 05:02

佐山和夫氏、野球殿堂入りに「今回ぐらい驚いたことはない」

佐山和夫氏、野球殿堂入りに「今回ぐらい驚いたことはない」

日本高野連の庭にある銅像の前で話す佐山和夫氏(代表撮影)

日本高野連の庭にある銅像の前で話す佐山和夫氏(代表撮影)【拡大】

 2021年の野球殿堂入りが14日発表され、特別表彰で1996年アトランタ五輪日本代表監督の川島勝司氏(77)とノンフィクション作家の佐山和夫氏(84)が選出された。殿堂入りは計209人となった。競技者表彰はプレーヤー表彰、エキスパート表彰ともに当選に必要な得票率(有効投票数の75%)に届いた候補者がおらず、23年ぶりに該当者なし。通知式は野球殿堂博物館で開催されていたが、新型コロナウイルス感染防止のため初めてオンラインで行われた。

 佐山氏は殿堂入りに「人生の中で今回ぐらい驚いたことはない」と話した。英語教師から作家になり、ニグロ・リーグ伝説の投手、サチェル・ペイジを現地取材で掘り起こした84年の「史上最高の投手はだれか」が注目を集めた。93年「野球とクジラ」で「ホームに還って得点が野球の原点で船乗りの発想」を紹介し、日本高野連との関係が始まった。ボールカウントの順番の世界基準変更を高野連とまとめ、97年選抜から導入。13年後にプロ野球まで統一された。

 苦難の末にペイジは米殿堂入りしており、その意味で自身の日本の殿堂入りに「感慨深い」としみじみ。「微力ではあるが野球のために尽力したい」と語った。

佐山 和夫(さやま・かずお)

 1936(昭和11)年8月18日生まれ、84歳。和歌山県出身。田辺高から慶大に進み、文学部英文学科を卒業。会社員、母校の田辺高教員などを経てノンフィクション作家に。84年に米国黒人リーグの伝説的投手のサチェル・ペイジを描いた「史上最高の投手はだれか」、93年には捕鯨の歴史を絡め野球のルーツを追った「野球とクジラ」を出版するなど日米の野球史を題材とした作品を中心に数多く執筆。99年に日本高野連顧問に就任し、2001年に設けられた選抜大会の「21世紀枠」の創設に携わった。

★野球殿堂

 日本の野球発展に大きく貢献した人たちの功績をたたえ、顕彰することを目的として1959年に創設された。プロ球界で功績のあった競技者表彰(プレーヤー表彰とエキスパート表彰)と、アマチュアを含め球界に貢献のあった人が対象となる特別表彰がある。選出はいずれも投票で75%以上の得票が必要。殿堂入りすると、東京ドームにある野球殿堂博物館にレリーフが飾られる。

★野球殿堂入りの対象者、選出方法

 【競技者表彰・プレーヤー表彰】引退から5年以上の元プロ選手で今回の候補は30人。候補者でいられるのは15年間。野球報道にかかわって15年以上の委員が7人以内の連記で投票する。今年は投票委員数、有効得票数ともに358。

 【競技者表彰・エキスパート表彰】プロのコーチ、監督でユニホームを脱いで6カ月以上経過しているか、引退から21年以上の選手が対象。今回の候補は20人。すでに殿堂入りした人、表彰委員会幹事と野球報道30年以上の委員が5人以内の連記で投票する。今年は投票委員数、有効得票数ともに134。

 【特別表彰】〔1〕アマチュア競技者で選手は引退から5年以上、コーチと監督は引退後6カ月以上〔2〕プロ、アマの審判員で引退後6カ月以上〔3〕プロ、アマの組織などの発展に貢献〔4〕日本の野球の普及、発展に貢献-のいずれかに該当する人。プロの役員および元役員やアマの役員、野球関係の学識経験者が投票する。今年は投票委員数、有効得票数ともに14。