この日もキャッチボールを終えると、三塁側ファウルグラウンド、そして遊撃のポジションで黙々とゴロを捕った。守備練習のみを約1時間半も行った。完璧な予習を済ませ、自分の考えも持った上で名人と向き合う。
ショートストップの先輩としての川相氏は「堅実でうまいイメージ」だという。これまでにも常に動画などで西武・源田ら名手のグラブさばきを目に焼きつけてきた。今、意識しているのも「力を抜くことだけじゃないですかね。リラックス」だと語る。そこへ川相氏のエッセンスを加えて、一気に守備に確信を持ちたい。
ルーキーだった2019年は15失策、昨季は8失策を犯した。チームも昨季、2年連続12球団ワーストとなる85失策にまみれたが、木浪がすべてを変えてみせる。
「去年より試合数を増やした上で失策の数を減らしたいです。試合に出るからには目標がないと、ただ“なあなあ”とやっていてもうまくならないので、目標をしっかりと持って」
沖縄の陽に照らされ、名人の厳しい視線にさらされて、木浪は必ず課題を克服する。(長友孝輔)