2021.1.13 07:30(1/2ページ)

【THE 核心】コロナ禍応援盛り上がりすぎないよう苦心

【THE 核心】

コロナ禍応援盛り上がりすぎないよう苦心

久世サトシ(左)はソーシャルディスタンスを保ってMCを務めた(本人提供)

久世サトシ(左)はソーシャルディスタンスを保ってMCを務めた(本人提供)【拡大】

 今、気になる人物、話題に切り込む「THE 核心」。今回は2008年から甲子園球場で阪神タイガースのスタジアムMCを務める久世サトシ(40)が、新型コロナウイルス禍に揺れた昨季を振り返った。甲子園のグラウンドの最前線で働きながら肌で感じたプロ野球のすばらしさや、仕事の裏側を語った。 (取材・構成=織原祥平)

 昨年7月、観客が入るようになったばかりの時期は、見たことがないお客さんの数だったので、スタジアムMCとして少し寂しい気持ちはありました。例年の甲子園の夏は、夜でもめちゃくちゃ暑いんです。だけど、心なしか少し涼しく感じました。たくさんのお客さんが来て、熱気で球場の気温も上がっていたのだなと改めて思いました。

 声を上げての応援が禁止されていたので、会場を盛り上げるんですけど、お客さんに声を出すのは控えてもらうように、と気を使っていました。MCをするときは、語尾を意識していました。試合終了のコールは「タイガースが勝利しました~●(=曲がり矢印上がる)」と語尾を伸ばすと「おぉ~」とファンの方も呼応してしまうかもしれないので「勝利しました!」と言い切るように変えていました。

 声を出せなくても、お客さんがいてくれることでこんなに雰囲気が違うんだと感じた1年でもありました。ジェット風船は飛ばせないですけど、代わりにジェット風船タオルで応援して。特にタオルを掲げるファンの姿は目立ちましたね。応援したい気持ちを表現するプラカードみたいになっているんだと思います。

 一番、印象に残っているのは10月11日のDeNA戦(甲子園)。五回終了後にファンからいただいたメッセージを読み上げるコーナーがあるのですが、その日予定されていた「大山選手が好きです。ホームラン期待しています」というものを読む準備をしていたら、五回裏に大山選手が逆転ホームランを打って。こんなドラマチックな展開はないと「大山選手が好きです。ホームラン期待しています、とメッセージをいただいたら、本当に打ってくれました!」とアドリブを加えてしゃべったら、すごく盛り上がったのは覚えています。

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