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【心に残るホークス遺産】江本孟紀氏が半世紀ぶり訪れた 南海戦士夢の跡、1973年最後の優勝起点の高知・大方球場

【心に残るホークス遺産】

江本孟紀氏が半世紀ぶり訪れた 南海戦士夢の跡、1973年最後の優勝起点の高知・大方球場

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おかえり!ノムさん 大阪球場(なんばパークス)に。
懐かしの大方球場を訪れた江本さん。案内役の小松孝年氏(右)とともに当時を振り返る(撮影・畑恵一郎)

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 「心に残るホークス遺産」と題して、ゆかりの地を紹介する大型連載の第6回は、南海ホークスとして最後のリーグ優勝を飾った1973年の春季キャンプ地、高知県大方(おおがた)が舞台。同年、胴上げ投手として野村克也捕手(兼任監督)と抱き合った江本孟紀さん(73)=本紙専属評論家=が、優勝イヤーの起点となった思い出の大方球場を半世紀ぶりに訪れた。 (取材構成・吉川達郎)

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 年の瀬も押し迫った12月中旬の晴れた朝、江本さんの姿は生まれ故郷の高知にあった。龍馬空港から車で1時間半、清流四万十川が太平洋に注ぐ幡多郡黒潮町。栄光の南海ホークス、最後の優勝となった1973(昭和48)年シーズンは、春季キャンプを張ったここ大方こそが幕開けの地だった。

 「プロ入り3年目のシーズン。東映から南海に移籍して2年目でした。何年か前にこの近くに来たことはあったけど、球場に来たのはあれ以来初めて。懐かしい、なんてもんじゃないよ。半世紀ぶりだからね」

 国道からくねくね道を約1キロ。松林を抜けると、砂地が大きく開け、そこに野球場が突然現れた。「土佐西南大規模公園野球場」。紛れもなくかつて南海が春季キャンプを張った大方球場だ。

 江本さんは自然と早足になる。グラウンドに足を踏み入れると、マウンド付近に歩を進め、球場全体を見渡し、そして潮騒の音に耳を傾けた。

 「風、空気…。あんなに昔のことなのに、何も変わっていないね。あの松の並木の向こうはすぐに太平洋だよ。ラッキョウ畑も健在だな。変わったのは外野フェンスにラバーが貼られてきれいになったことと、ブルペンの一部に屋根が付いたくらいかな」

 左翼後方には入野松原(いりのまつばら)と呼ばれる天然の松林が海岸線に沿って長く伸び、その松原の向こうは黒潮香る太平洋。取材日は快晴無風でサーファーの姿もちらほら見受けられた。

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