【江本孟紀氏Big対談】
評論家生活40周年を迎えた本紙専属評論家の江本孟紀氏(73)が各界の大物に迫る豪華対談の第2弾に、巨人・原辰徳監督(62)が登場です。親交の深いエモやんに、監督生活15年目にして「一番燃えている」と胸に秘めた思いを激白。阪神・藤浪晋太郎投手(26)の獲得へ動いていたことなど“ここだけの話”が満載です。(取材構成・伊藤昇、伊吹政高)
江本氏(以下、江) 「最初の話題はつかみということで。まさか、日本シリーズで2年続けて4戦全敗とは…」
原監督(以下、原) 「まさか、まさかの…。屈辱的な日本シリーズ。一昨年は許されたけど、昨年も同じ状況になると、一昨年の結果を(話題に)引っ張ってこられる。風当たりというか。だから、やっぱり勝負の世界に戻ってきたなあと思っています」
江 「その分、期するものもあると思うけど」
原 「2021年は、燃えています。監督15年目で、一番ですね。19年、20年は何となくぬるま湯につかっていたなと。やっぱり2つの日本シリーズがああいう形になったのは非常に屈辱だし、自分の中で昔のハングリー的な、勝負に対する思いがよみがえってきた。さらに強くしないといけないんだと」
江 「この前、騎手の福永祐一さんと対談をして『途中で走っているときに鞭を入れるんですか』と尋ねたら、『いや、入れなくても、いい馬はいるんですよ』という話をしていたけど。巨人の場合、ちょっと鞭を入れないといけないんじゃないかな」
原 「キャンプは2月1日から。昨年までの反省をして、いろんな結論が出てくると思うんですよ。そこでどう対策をするのか。気持ちだけ『こんちくしょう』と言っても、なかなか勝負は勝てない。しっかり、原因を究明したい。ただ、2021年は非常に燃えています」
江 「今の言葉だけで、もうインタビューとしては十分だね。でも、聞かなきゃいけないのは菅野が抜けたら、その穴をどうするか」
原 「どういう状況でも、野球は去年のチームを引きずらない。21年は新しいチームで横一線からスタートする。そういう中で彼がいるのか、いないのか…。そろそろ分かると思うんだけれど」
江 「でも、よく考えたら菅野は一昨年も11勝を挙げたが、腰痛で度重なる離脱があり、いなかったのと同じような…」
原 「そうです、そうです。わが軍は逆境に強いから。昨年までは、いろんな意味で順風の中で野球をやってきて。今でも、ペナントレースを勝つことは日本シリーズを勝つより、はるかに難しいと思っています。だけど、昨年までのペナントレースは逆風がない中でやれた。そのとき、どういうふうに彼らを動かしたのか。それはやっぱり、反省ですよ」