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【よみがえるノムラの金言】日本シリーズは捕手のためにある

【よみがえるノムラの金言】

日本シリーズは捕手のためにある

特集:
よみがえるノムラの金言
1964年、南海は阪神を下して日本一に。全身で喜びを表すスタンカ(中央)に、捕手・野村(左)は身を委ねるようにして抱擁。全精力を使い果たしての栄冠だった

1964年、南海は阪神を下して日本一に。全身で喜びを表すスタンカ(中央)に、捕手・野村(左)は身を委ねるようにして抱擁。全精力を使い果たしての栄冠だった【拡大】

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 ソフトバンクと巨人が対戦するSMBC日本シリーズ2020は、21日に開幕。新型コロナの禍中で開催されてきたプロ野球も、クライマックスを迎える。2月11日に急逝した野村克也さん(享年84)はサンケイスポーツ専属評論家として、毎年全試合を分析。野村さんにとって、日本シリーズとはどういう舞台だったのか。本紙に残した金言を振り返ると、示されたのは、やはりあのポジションへのメッセージだった。(構成・内井義隆)

 ノムさんはよく「日本シリーズは捕手のためにある。経験すればするほど成長できる」と力説していた。前夜の準備、当日の実戦、その後の反省…。3つの野球を最大で7度も繰り返す。それだけ厳しい舞台。この観点で評論したのが2017年10月28日、ソフトバンク-DeNA第1戦の『ノムラの考え』。1-10と大敗したDeNA井納翔一-嶺井博希の先発バッテリーを取り上げた。

 着目したのは、配球。「そこに恐怖が表れている」と表現した。

 井納はフォークボールが持ち味とはいえ、スライダーとあわせ3球、4球と変化球を続けることが多かった。6割以上が変化球だった。

 「嶺井がソフトバンク打線をどう評価していたか。ミーティングで『強力な打線。ストレートは通用しない』などと、言われたのではないか。そのため、カウントを稼ぐのも、勝負するのも、変化球になった」

 ソフトバンクからすれば、必ず来る変化球への備えの比重を、増しておけばよい。「ウチを恐れている」と心理的に優位に立てる。焦りもないから、あわててボール球に手を出すこともない。じっくり仕留められる。

 大差での敗戦も当然だった、と結論付けた。

 「私も南海での現役時代、頭を抱えたことがある」と、巨人・長嶋茂雄(現終身名誉監督)対策にまつわる話を明かしてくれた。

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