2020.11.7 12:00

【土井麻由実のSMILE TIGERS】元阪神トレーナー土屋明洋さんが心配するベンチの様子

【土井麻由実のSMILE TIGERS】

元阪神トレーナー土屋明洋さんが心配するベンチの様子

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土井麻由実のSMILE TIGERS
能見、藤浪と話す阪神トレーナー時代の土屋明洋さん(右から。本人提供)

能見、藤浪と話す阪神トレーナー時代の土屋明洋さん(右から。本人提供)【拡大】

 「福留は僕、同い年だから頑張ってほしい。同級生の選手っていったら、もう福留しかいないから。ほんと希望の星というかね」

 阪神を今季限りで退団する福留孝介選手にエールを送るのは、2018年まで阪神でトレーナーをしていた土屋明洋さんだ。現在、芦屋市でパーソナルコンディショニングジム「COUGS(クーグス)」を経営している。タイガースを離れても、古巣のことは常に気になる。とくに同い年の福留選手の動向は気がかりなようだ。

 「まだいけるでしょう。目とかの衰えは防ぎようがないけど、バッティングは技術でカバーできると思う。しっかりコンディションを整えていけば」

 さらに能見篤史投手に関しても「全然変わらない。衰えている感じは一切ない」と言いきる。思い出されるのは常に遠投していた姿だ。

 「特にキャンプ中は毎日遠投だったかな。それで肩作って球数投げてっていう、自分の調整方法があるから。遠投ですごい球を投げるから、受ける大樹さん(片山大樹ブルペン捕手)がヒーヒー言ってた(笑)」

 シーズン中の練習でも遠投しているのをよく見たなぁ。体形もまったく変わらない能見投手にも、他球団でもうひと花咲かせてほしいと土屋さんは願っている。

 現役を引退する藤川球児投手についてはこう話す。

 「アメリカに行く前に1年、一緒にやったのかな。そこからまた戻ってきて再会したんだけど、アメリカで苦労したのか、だいぶ顔が柔らかくなって帰ってきたなっていう印象だった」

 トレーナーが尊重されるアメリカで手術を受けたことで、トレーナーに対しての理解度も変わったのではないかと感じるという。

 「高知ファイティングドッグスを経て、またタイガースに入って、入るだけじゃなくてそこからまた活躍した。球速も戻ったし。しかもトミー・ジョン手術をやって、あれだから」

 藤川投手の苦労をおもんぱかり、その努力に賛辞を贈る。

 土屋さんが「COUGS」をオープンさせたのは昨年2月4日だ。

 「いずれは自分で開業したいというのはあった。タイガースでは1軍で4年、ファームで3年やった。監督さんが継続するのであれば自分だけ辞めるってわけにいかないけど、ちょうどファームの矢野監督が1軍の監督に就任されることになったので、そこで、と思って。年齢も40を超えてきたので、あんまり年をとると次のステップにいくのは難しくなるから」

 さまざまなタイミングが合致したところで決断した。

 「COUGS」のコンセプトは「100歳まで動けるカラダづくり」だ。これにはタイガース時代の経験が生かされている。

 「リハビリ選手の病院帯同をしているときに病院のリハビリ室を見ていると、ドーンと広くて、そこでいろんな人がリハビリをやってるけど、それぞれ与えられたメニューを地道にやっている感じで、時間的にも短い。プロ野球みたいにトレーナーが1対1でベッタリっていうわけじゃない。保険を使ってリハビリできる期限も決まってるから、それが終わると自分でやってくださいって放置される。そうなると、それ以降はやる場所にも困る。そのあとの人生のほうが長いし、そこは問題点だなというのをずっと考えていた」

 リハビリである程度よくなった人が、さらに機能を高めたり筋力をつけたりする場所の提供と指導ができれば…。理学療法士の話も聞きながら、今のジムをオープンさせた。

 フィットネスクラブなどではマシンの使い方は教えてくれるが、マンツーマンで付きっきりではない。自分で考えてやるのは、よほど意識が高くないと難しい。「COUGS」では個々に必要なメニューを組んで丁寧にアドバイスしてもらえる。

 顧客の中には脳梗塞の後遺症でまひが残り、筋力がなくなって何度もコケてしまうといった人や、がんの手術で体重が一気に減少し、体力がなくなったという人なども通っており、年齢層も40代から70代が多いという。適切な運動はQOLを上げてくれると評判だ。

 もちろん、ガッツリ鍛えたいというアスリートにも対応している。実はタイガースの選手も足を運んでいるのだ。トレーニングは当然のことながら、土屋さんに話を聞いてもらいたいという選手もいるようで、フィジカルだけでなくメンタル面のサポートの一助にもなっている。

 退団した今もタイガースのことは常に頭にあるという土屋さん。

 「試合もずっと仕事の合間に見ている。打率とか防御率とかチェックしたり。活躍したタイミングでちょいちょいLINEを送ったりもしている」

 心配なのはベンチの様子だ。

 「最初はすごい明るい雰囲気でみんなガッツポーズしてたけど、途中からフェードアウトというか、だんだんガッツポーズがなくなってきている。いろんな批判があるのかもしれないけど、押しきってほしい。矢野さんが最初に言っていた『誰かを喜ばせる』っていうのを体現していたからね。選手が溌溂とガッツポーズしていたらファンも喜ぶ。それと、矢野監督になってからヒーローインタビューもおもしろくなったのは、すごくいいな」

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 「COUGS」(https://www.cougs.jp/

土井 麻由実(どい・まゆみ)

CS放送「GAORA」「SKY-A」の阪神タイガース野球中継番組「Tigers-ai」でベンチリポーターとして携わったゲームは約900試合。2005年は優勝のビールかけインタビューも! イベントやパーティでのプロ野球選手やOBとのトークショーの司会は100本以上、またイベント制作も手がけています。過去には阪神タイガース公式ホームページや携帯サイト、阪神電鉄の機関紙のコラムやニュースも執筆し、現在はYahoo!でも野球記事を掲載。マイクでペンで、硬軟織り交ぜた熱い熱い情報をお伝えしています!! ツイッターのアカウントは@7mayu7mayu7。Yahoo!のページのアドレスはhttps://news.yahoo.co.jp/byline/doimayumi/