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【虎のソナタ】1世を超えた「ガリガリ君」 イチローを見抜いた三村さんの眼力

【虎のソナタ】

1世を超えた「ガリガリ君」 イチローを見抜いた三村さんの眼力

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虎のソナタ
記念撮影で笑顔の坂本(前列中央)ら

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 ドラフト会議の翌日から始まった連載『虎の希望D1位 佐藤輝の輝く黄金伝説』。第4回は佐藤輝明内野手(近大)の仰天パワーのエピソードを紹介しています。

 仁川学院高2年のとき、ホームプレート上に置いたスタンドティーのボールを打って、右翼後方の校舎3階の窓ガラスを割ってしまった。

 これができる男をひとり知っています。1985年秋のドラフト会議で西武に1位指名されたPL学園高の清原和博が、球場見学にきた際に同じことをやって西武球場の左翼席に放り込み、周囲の度肝を抜きました。ただ、だからといって、佐藤輝が「清原2世」だと言うつもりはありません。そもそも、1世を超えた〇〇2世なんて見たことがない。あの“ガリガリ君”を除いて。

 1992年7月17日。ジュニアオールスターゲームが行われた東京ドームで全ウエスタンの指揮を執る三村敏之広島2軍監督を取材していました。デスクから、Jr.球宴の企画で全イ、全ウそれぞれの監督に『一番の推奨株』を聞いてくるよう指示されたからです。

 「文句なしにこの子」

 控え組が打撃練習をしていた時間。三村監督は目の前で打っている選手を指差しました。

 「え!? こんなガリガリの子が、ですか?」

 その年の全ウは、3番・遊撃が阪神の3年目・新庄。5番・右翼が広島の新人・金本。8番・三塁がオリックスの新人・田口。9番・捕手が中日の2年目・矢野。控え組にも近鉄の新人・中村紀らがいたのです。彼らを押しのけて、こんな細い新人がイチ推し? 三村監督はこう続けました。

 「あんたら、ドラフト会議のとき、篠塚(巨人)2世と書いてたやろ。この子は篠塚2世なんかじゃないよ」

 アハハ、そりゃそうですよね。いくらなんでも首位打者2度の篠塚と比べるなんて。今度はニラまれました。

 「逆の意味に取ったな。ワシは、この子は篠塚2世どころじゃないという意味で言うたんよ。バットコントロールは篠塚くらいうまい。肩も強い。守備もいい。何より、足が速い。これは篠塚にはない。この子は篠塚より上の選手になる」

 再び、え~!?

 「スタメンでは出せなかったけど、いいところで使おうと思っとる。まあ、見ときんさい」

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