藤浪は八回に登板。160キロの剛速球を連発して無失点に抑えた(撮影・水島啓輔)【拡大】
(セ・リーグ、阪神2-0中日、18回戦、阪神11勝7敗、1日、甲子園)リリーフ晋太郎、スゴすぎる! 阪神は中日に2-0で競り勝った。八回に登板した藤浪晋太郎投手(26)が自己最速タイの160キロを連発し、1回をピシャリ。先発した大阪桐蔭高の先輩、岩田稔投手(36)の今季初勝利もアシストした。チームは2カードぶりに勝ち越し、貯金は「3」に。2日からの首位巨人との直接対決も、頼むで~!!
緊迫した試合が最高のショーに変わった。1球ごとに、グラウンドとスピードガンに交互に目をやるファンのどよめき。場内の興奮が右腕のアドレナリンと同化した。こんな藤浪を待っていた。
「感覚もよかったし、ブルペンからずっとよかった。いい感じで、わりと自信を持って投げられたかなと思います」
先頭の堂上の初球の158キロから、何かを期待するざわめきが甲子園を包んだ。予感は1死から木下拓の2球目に実現した。「160」の表示で、観衆8091人と物足りない聖地に、地鳴りのような音が復活した。
2球連続の160キロで二ゴロに打ち取ると、代打・井領の初球まで3球続いた。さらに3、4球目も大台。14球のうち5球が、2016年9月14日の広島戦(甲子園)で計測した4年ぶりの自己最速タイ。フォークで空振り三振を奪って三者凡退が完成すると、この日一番の歓声が注がれた。
「(球速は)勝負の中で全力を出す中で、たまたま。(先発でも)全力で腕は振っているけど(イニングが)短い方がリミッターが外れる。意識していないけど、勝手に自分の中で切り替わって」
新たな職場に進化の予感だ。チームは新型コロナウイルス感染拡大でメンバーを大改造。持ち場がリリーフに変わった。2日前に3点差でプロ初ホールド。「死ぬほど緊張した」と振り返った以上にしびれる展開。直前の梅野のソロまで、1点差で出番を待った。ベテランの岩田の今季初勝利もかかっていた。