2020.9.20 12:00

【球界ここだけの話(2091)】鷹の久保コーチが阪神・藤川球児に願うこと

【球界ここだけの話(2091)】

鷹の久保コーチが阪神・藤川球児に願うこと

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
引退会見に臨む阪神・藤川

引退会見に臨む阪神・藤川【拡大】

 阪神・藤川球児投手(40)が8月31日、今季限りでの現役引退を発表した。またひとり、“松坂世代”がグラウンドを去る。阪神でコーチ経験のあるソフトバンク・久保康生2軍投手コーチ(62)は惜しみない言葉を送った。

 「『おめでとう』とメールしたよ。この世界は本当に、自分からユニホームを脱げる選手がどれだけいるか」

 2005年から阪神の投手コーチに就任。山口高志氏とともに、藤川を開花へと導いた。「(中継ぎは)苦肉の策だったんだけどね。長いイニングは投げられなかったから」。05年は当時のシーズン最多登板を更新する80試合に登板。久保コーチも虎で計12年コーチを務め、球界を代表するリリーバーに成長していく姿を見守ってきた。

 引退を発表する少し前。8月18日からのウエスタン・阪神3連戦(鳴尾浜)で顔を合わせた。「元気そうだったよ」。注目が集まるのは、藤川の今後。指導者をやってほしいのか、久保コーチなりの見解を聞くと、熱い言葉が返ってきた。

 「(指導者を)やってほしいと思うよ。いろんな人がいるけど、恩返しを繰り返してプロ野球は成り立ってきたと思っているから」

 タレントやYoutuber…。グラウンドに限らず、引退後の仕事は多岐に渡る時代になった。それでも、恩を送り、恩を返す。その繰り返しでプロ野球は成り立ってきたと考えるからこそ、グラウンドに帰ってきてほしいと強調した。阪神時代の教え子でもある福原投手コーチ、安藤ファーム育成コーチにも「35歳を過ぎたことからはそういうことを念頭に置いてと伝えてきた」という。押しも押されもせぬ大投手になったからこそ、藤川にも覚悟を持って後輩を育てる立場になってほしい。

 「(指導者を)やる覚悟があるのなら、球児にもやってほしいと思う。お世辞でも『コーチのおかげ』と言われると本当にうれしいから」

 グラウンドでもらった恩はきっと、グラウンドでしか返すことはできない。教え子たちの未来がプロ野球のためにつながることを、久保コーチは祈っていた。(竹村岳)