2020.9.18 12:00

【球界ここだけの話(2089)】笑いを取るだけじゃない“ハマのモノマネ王”DeNA・上茶谷の「再現力」

【球界ここだけの話(2089)】

笑いを取るだけじゃない“ハマのモノマネ王”DeNA・上茶谷の「再現力」

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サンスポ記者の球界ここだけの話
DeNA・上茶谷

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 その実力は球界でも突出している。“ハマのモノマネ王”ことDeNA・上茶谷大河投手(23)の「モノマネ力」だ。

 小さいときから取り組んできた右腕の特技。新人恒例の本社訪問では南場オーナーの前でロペスの打撃を披露し「ロペちゃんかと思いました」と絶賛され、昨季の試合前の“声出し”では今永の「誇張モノマネ」でナインの爆笑を誘った。ファンにもすっかりおなじみで、サンスポ特別版「BAY☆スタ」の最新号(第18号、アマゾン、サンスポe-shop「https://www.sanspo-eshop.com/」などで発売中)では新企画「教えて! 上茶谷先生のものまね講座」もスタートした。

 モノマネは、パフォーマンスとして魅力であると同時に、実は野球選手としての武器にもつながっている。それは、高い「再現力」だ。少しでもモノマネをしてみれば分かるが、それは決して誰にでも簡単にできる芸当ではない。動きの特徴をしっかりと捉え、自分の体をどのように動かせば表現できるのかを理解しなければできない妙技だ。

 こんなことがあった。2、3月の実戦で球が走らず打ち込まれるシーンが目立っていた上茶谷に、川村投手コーチが助言をした。「自分も現役時代、同じようなフォームだったので。前でリリースをしようとすると体が突っ込みすぎてしまう。もう少し早めにリリースする意識にしてはどうか」。いわゆる打者に近く球持ちのいい投球とは逆の意識だったが、上茶谷はすぐに自分の頭の中に落とし込み修正。切れのある球を取り戻した。

 8月に2軍再調整となったときも、今永から「左脚を上げすぎ」と指摘を受けた。「確かに、一本足になったときに力が後ろに逃げてしまっていた」と修正。またも再現力の高さを発揮して、調子を取り戻した。言われたことを正確に頭で理解し、すぐに体で表現できる、上茶谷はその能力にたけている。完成度の高いモノマネは、その証しだ。

 これは余談だが、プロ入り後初のオフにはゴルフにも本格的に取り組み、こちらは石川遼のフォームを“モノマネ”してスコアをぐんぐん上げたそうだ。「まなぶ(学ぶ)」の語源は、「まねぶ(真似ぶ)」ともいわれる。上茶谷は、日頃からダルビッシュや前田健太らの野球動画をチェックするなど好奇心旺盛で、日々気付いたことはノートに書き記すマメさもある。そして、気づけば練習の合間にまた新しいモノマネを仲間に披露している。

 まだプロ2年目。まねて、学んで、これからさらに大きく成長していくだろう。(浜浦日向)