【田尾安志 タイムリーCheck!】
五回、糸原が高橋の打球を弾くタイムリーエラー。ミスが失点に直結した(撮影・松永渉平)【拡大】
(セ・リーグ、中日6-3阪神、2回戦、中日2勝、1日、ナゴヤD)はやV率0%。阪神は今季ワースト3失策など攻守に精彩を欠き、中日に3-6で敗れた。今季11試合で3度目の3連敗。開幕4カード連続負け越しは1996年以来の球団ワーストタイで、過去優勝した球団はない。OBで楽天初代監督の田尾安志氏(66)=本紙専属評論家=は「プロじゃない」と断罪。2勝9敗と球団ワースト発進となった矢野虎は、ここから這い上がれるのか…。
こんなひどい試合は久しぶりに見た。はっきり言わせてもらう。これはもう、プロじゃない。
失策の内容が悪すぎ。勝負にいっての、ギリギリの失策ではなく、考えられないミスばかり。記録では3失策。だが、四回のマルテの悪送球で打者走者が一気に三塁に進んだシーンなどは、Eマークは灯っていないが、右翼・糸井がバックアップできていなかった。やるべきことをやっていない。同点になった場面の直前の秋山の暴投も痛かった。
戦力がないとは思わない。私を含めて、かなり多くの評論家が、阪神を優勝候補に挙げている。投手力は昨年のレベルを維持していたし、攻撃面は外国人を補強して、点が取れる打線になっていた。何人もの「プロの目」が強いと判断していたのに、開幕早々、まさかこんな寂しい試合を見せられるとは…。順位が決まった、目標のない終盤かと思ったぐらいだ。
私が監督を務めた2005年の楽天も弱かった(38勝97敗1分)。誕生当時は戦力もなく、誰が見ても弱いから、ファンはヤジることもしない。仙台のファンは本当に優しかった。でも、それはプロとして恥ずかしい。
2勝9敗となり、開幕から4カード連続負け越しは、1996年の藤田平監督の時代以来とか。あの頃も戦力がなく、負けるのは仕方がないようなチームだった。
今、どう表現したらいいか、正直困っている。今後は、厳しく批判するのを辞めようかと思ってしまう。戦力があるから、優勝できそうだから、常に厳しい視線で、「ダメなものはダメ」と指摘してきた。これからは「大丈夫だ」「頑張れ」と応援し続けなければいけないのか。タイガースは、この程度のチームではないはず。