2020.7.1 05:00

【虎のソナタ】「タイガースは13位だな」 ファン感で「たけし軍団」にも負け…悪夢91年

【虎のソナタ】

「タイガースは13位だな」 ファン感で「たけし軍団」にも負け…悪夢91年

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試合前、円陣を組む阪神ナイン。気合を入れろ!

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 トラ番と中日ファンの愚痴のこぼし合いになりました。

 「弱いんです」

 「いやぁ、ウチもひどいもんだよ」

 ベテラン編集委員三木建次と、名古屋市千種区の中華料理店「ピカイチ」のご主人、兵頭忠保さんの会話です。

 星野仙一さんも常連だったこのお店は、選手やプロ野球ファンが集うことでも有名で、今でも中日のコーチ会議に使われ、昨秋は育成ドラフト1位で指名された名古屋大の松田亘哲投手がここで入団交渉し、仮契約を結んでいます。ビヤ樽も中日担当時代に通っていました。

 前日29日に名古屋入りした三木は、「久々にあいさつだけしに行こう」と出かけていき、名物のピカイチラーメンをいただきながら、冒頭のようなボヤキ合いになったのです。

 「打てないんです」

 「ウチもけっこうひどいんだよ。打っても点が入らない。この前(23日のDeNA戦)なんて11安打したのに完封負けした。ホームタッチアウトが2度もあった」

 「どっちが弱いかの勝負ですかね」

 「うん、お客さんもみんな『最下位決定戦だ』と言って盛り上がっている」

 セ・リーグは、巨人とDeNAが首位攻防3連戦、パ・リーグはロッテと楽天が首位攻防6連戦をやっているというのに、自虐的な寂しい会話がかわされました。

 大阪・難波の編集局でプロ野球当番デスク席に座っている阿部裕亮も、出社早々、自虐的な準備を始めています。

 「負けると2勝8敗。開幕から10試合で2勝8敗は、1991年以来です。実はあの年は、そのまま…」

 みなまで言うな。覚えとるわ。と言ったのに、阿部はかまわず言葉を続けました。

 「そのまま一度も、5位に上がることすらなく、全日程を通じて最下位に終わったシーズンです。5位の大洋(現DeNA)にも16ゲーム差をつけられました。オフには『たけし軍団』にも負けました」

 みなまで言うか…。そうです。あの年は、48勝82敗で借金34。セの6位ではなくプロ野球の12位だと言われました。さらに、11月23日の甲子園球場でのファン感謝デーで2-4で「たけし軍団」に負けて、たけしから「タイガースは13位だな」とネタにまでされたのです。当時の三好一彦球団社長は「たとえ余興でも、これはいけません」と苦笑い。沢田邦昭球団代表も「シャレになりませんな」と嘆いた年です。

 「でも、阪神は次の年は優勝争いして2位だったじゃないですか。中日は92年は最下位でした。僕らは、ドラゴンズじゃなくドベゴンズと呼んでいましたよ」

 名古屋生まれで、91年はまだ5歳だったサブキャップ安藤理はそう言ってくれましたが、次の年の話でなぐさめられてもなあ。

 「大丈夫です。変わりますよ。ボーアはきょうも練習ですごい打球を飛ばしています。ものすごいところまで飛んでいくとか、弾丸ライナーで飛び込むとか、そういう打球を飛ばすことは、みんなもう知っているじゃないですか。試合でそんな1本が出れば、ボーアも阪神のムードも変わる気がするんです」

 しかし、“ものすごい一発”は阪神ではなく中日の方に出て、5位・中日とのゲーム差は2に広がってしまった。次はオリックスファンと、12位はどっちだ、とボヤキ合うことになるのか?