2020.6.30 08:00

【若さんのツバ目線】村上の打撃フォーム分析で太鼓判! わずか1年で進化「悪いところ見当たらない」

【若さんのツバ目線】

村上の打撃フォーム分析で太鼓判! わずか1年で進化「悪いところ見当たらない」

村上(1)

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 開幕から9試合で打率・364、2本塁打、6打点の好成績を残しているヤクルト・村上宗隆内野手(20)の打撃フォームを、通算2173安打の『小さな大打者』、若松勉氏(73)=本紙専属評論家=が分析。「悪いところが見当たらない」と高く評価した。達成すればセ・リーグ最年少となる本塁打王、打点王のタイトル獲得にも大きな期待をかけた。(取材構成・横山尚杜)

 写真は6月27日の巨人戦(神宮)で、左腕の高木が投じた144キロの真っすぐを、右翼席中段へ運んだ2号ソロのもの。昨年3月にも村上の連続写真を分析したが、わずか1年ほどで課題は改善され、素晴らしいスイングになっている。

 (1)の構えは変わらず、左脚にしっかり重心が乗っている。(1)(2)(3)では、左の股関節あたりにユニホームのしわができている。この部分を中心とした“ひねり”によってパワーをため込むことが、村上の強い打球を生み出す源。なかなか他の打者にはできない動きだ。

 前回は右腰と右脚が捕手側に入り過ぎている点を指摘したが、(3)を見ると改善されている。ボールを呼び込む体勢が整えられ、(4)(5)(6)とスムーズにバットが出ている。

 最も良いのは(7)の形。左肘だけでなく、右肘もうまくたためている。バットをインサイドから出し、インパクトに向けてレベルスイングの軌道を描けている。そして(8)のインパクトの先で、しっかりと両肘が伸びきっている。前回は両肘が縮こまっていることを指摘したが、ここも改善され、バットから打球にしっかりと力が伝わっている。

 (9)(10)のフォロースルーは相変わらずいい。(4)のトップの位置でバットのヘッドが頭の後ろにあり、(10)で再び頭の後ろに戻ってきている。練習試合から高い打率をキープできているのは、(7)-(10)までの形が出来上がり、バットコントロールにたけてきたからだろう。

 技術的に悪い点は見当たらない。追い込まれてからも粘れていて、ボールも見極めている。対左腕も懐までボールを呼び込み、苦にしていない。

 あえて課題を探すなら精神面。現在は無観客で、無心で試合に臨めているはずだ。今後観客が入れば、凡退したときのファンのため息も耳に入る。打てなければ自身に疑心暗鬼にもなる。相手の警戒が増せば、誘い球も多くなる。4番打者には「チームを勝たせないといけない」という重圧ものしかかる。

 だがこれに打ち勝てれば、広島・鈴木誠や巨人・岡本らとの本塁打王、打点王争いに割って入れる。このスイングの形を維持できれば、打率も3割は打てるだろう。

 さらに経験を積み、精神面で強くなれれば、将来的には三冠王のチャンスも見えてくる。ヤクルトだけでなく、日本代表を背負う打者になってもらいたい。プロ3年目で、頼もしい姿になってきた。(本紙専属評論家)

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