2020.6.28 12:12

【球界ここだけの話(2008)】ソフトバンク・D3位津森は“持っている男”

【球界ここだけの話(2008)】

ソフトバンク・D3位津森は“持っている男”

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2020新人情報
サンスポ記者の球界ここだけの話
ソフトバンク・津森=メットライフドーム(撮影・尾崎修二)

ソフトバンク・津森=メットライフドーム(撮影・尾崎修二)【拡大】

 ソフトバンクのドラフト3位・津森宥紀投手(22)=東北福祉大=は24日の西武戦(メットライフ)で1回を無失点。うれしいプロ初勝利は新人一番乗りとなった。“持っている男”はウイニングボールを手に、にっこり。

 「こんなに早く勝利が自分のものになると思っていなかった。本当にいいですね」

 2点ビハインドの五回に登板。先頭の山川には死球を与えるも外崎、中村、栗山を斬ってマウンドを降りた。直後に今宮が逆転3ランを放ち、転がりこんできた白星。21日のロッテ戦(ペイペイドーム)ではプロ初登板で最初の打者に満弾を浴びるという史上初の珍デビューとなったが「自分が1人目なんですか? いいっすね」。中2日でやってきたチャンスを、強心臓でものにした。

 横手から内角をつく強気な投球が最大の持ち味。転機は和歌山東高時代の1年秋。左投手などがいないチーム状況もあり、監督から「1回(サイドで)投げてみて」とサイドスローに転向。そこからはもう反復練習だ。タオルは必需品となり、鏡の前が自分の居場所となった。同じくサイドスローで、NPB通算128セーブを記録した林昌勇の動画を参考に、ひたすらシャドーピッチングを繰り返す日々。聖地を目指す中、自分だけの武器を磨き続けた。

 東北福祉大に進学すると1年春から戦力に。2年時に初めて大学日本代表に選出されると、日の丸での経験が野球への思いを一気に加速させてくれた。

 「そこが一番のチャンスだと。いろんな人に自分を見てもらえる」

 同じく3年時にも選出され、67回全国大学野球選手権で日本一に輝くと「自分がどれだけできるのか、試したくなった」。思いは一気にプロ志望に染まった。社会人チームからの誘い断るなど退路を断ち、プロへの扉をこじ開けた。自分を変えてくれた侍のユニホームは、今でも和歌山の実家に飾ってある。1月に入寮するときには、両親から「結果も気にしているけど、体には気をつけて」と送り出された。始まった恩返しは、まだまだこれからだ。

 昨年はアンダースローの高橋礼が新人王に輝いた。今度はサイドスローの津森が、真っ向勝負で鷹の新しい鉄腕になる。(竹村岳)

 

  • 勝利投手の津森(中)をねぎらうソフトバンク・工藤監督(右)=メットライフドーム(撮影・尾崎修二)