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【よみがえるノムラの金言】野村克也氏「令和は球界にうってつけの元号」

【よみがえるノムラの金言】

野村克也氏「令和は球界にうってつけの元号」

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よみがえるノムラの金言
さようなら 野村克也さん追悼
1990年4月7日、ヤクルト監督1年目の野村さん(右)の初陣は巨人との開幕戦だった。左は秦

1990年4月7日、ヤクルト監督1年目の野村さん(右)の初陣は巨人との開幕戦だった。左は秦【拡大】

 「令和は球界にうってつけの元号」-。2月11日に急逝した野村克也さん(享年84)が、サンケイスポーツ専属評論家として本紙に残した言葉を振り返る、ヘリテージ(遺産)連載。今回は、昨年4月2日付の特別寄稿から。新時代を迎えた球界へのメッセージを、プロ野球の開幕に合わせて再録する。(構成・内井義隆)

 戦後初の三冠王で、通算657本塁打は歴代2位。監督としてリーグ優勝5度、日本一に3度。昭和の大選手にして、平成の名将だったノムさんが、球界へのメッセージとして本紙に特別寄稿したのは、令和という新時代の元号が発表された、19年4月1日だった。

 「まず、指導者育成が何より急務である」。これが第一声。南海(ソフトバンクの前身球団)、ヤクルト、阪神、楽天と4チームを率いた自身の経験も引き合いに、1度ユニホームを脱いだ監督が数年後、現場に復帰する流れは、いまだに変わっていないと嘆いた。

 そこで提言したのが、「指導者育成の場」。監督やコーチを一堂に集め、研修会などを開催すべきだと訴えた。

 球団の監督選任法にも、注文を出している。

 「最近は処世術に長けた者が監督になる傾向が強いように思える」。球団の言うことを聞き、波風を立てず、金もかからず…。そうした、経営者側にとっては楽な人材を求めたがる風潮に、ピシャリとクギを刺した。

 「プロ野球は勝負の世界。監督はそもそも、選手の生殺与奪権を握っている。その責任も負う。選手に優しく、いい顔をする者には務まらない」と断じ、「選手を叱り飛ばし、手抜きを許さない“恐怖監督”こそ、ハングリー精神が薄く、おとなしいタイプが多い今の選手に、必要ではないだろうか」と問いかけた。

 続けて注文を出したのは、監督采配について。

 「私が南海時代、江夏豊をリリーフに転向させたことが、投手分業制につながったため、複雑な心境ではあるが…」と前置きしながら、「何かと議論になる、投手の球数制限も、責任の多くは監督にある」

 先発は5回、または100球などと、あらかじめ決めている節があると指摘。そこには、先発と2番手への信頼度、スタメン打者や代打との力関係などといった、続投か交代かの本来の根拠は存在しない、と論じた。

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