2020.5.26 13:00

【球界ここだけの話(1975)】SNSの誹謗中傷問題、球界も無縁ではない

【球界ここだけの話(1975)】

SNSの誹謗中傷問題、球界も無縁ではない

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話

 23日に女子プロレス団体スターダム所属の木村花さんが22歳の若さで亡くなった。恋愛リアリティー番組「テラスハウス」にも出演しており、SNS上では番組内での木村さんの言動に対し、多くの非難するような投稿がされていたという。木村さんにはこの場を借りて謹んで哀悼の意を表したい。

 こうした誹謗中傷問題は球界も無縁ではない。試合に負けた日はチームや選手を非難する投稿が多く見られ、ここに記すのもはばかられるような汚い言葉が並ぶ。特に、直接の敗因となったようなプレーをした選手への個人攻撃が行われることも常態化している。

 投稿の宛先としてターゲットとなるのは球団の公式アカウントが多いようだが、昨年からツイッターで運用を開始したサンケイスポーツの巨人情報アカウント(@sanspo_giants)にもさまざまな声が寄せられる。中には「無能」「クズ」「消えろ」「引退しろ」などの投稿もあり、目にするだけでもかなり精神的に消耗する。

 実際に投稿が原因で精神的な不調を訴える担当者もおり、運営上の方針として、あまりに攻撃的な投稿をするアカウントはミュートする、DMには返信をしない、などの対策を行っている。温かい言葉もあるが、10の応援に励まされても、それ以上に1つの非難の言葉に傷ついてしまうというのが実感だ。当事者なら精神的な負担はわれわれの比ではないだろう。

 事実、阿部慎之助2軍監督(41)も現役時代にインスタグラムのアカウントを開設したが、投稿されたコメントが原因で2017年に閉鎖している。当時、「こんな思いをするために始めたわけじゃないのにな」と悲しそうに語っていた。ファンからすれば、選手との交流の機会が奪われたことにもなる。

 SNSやインターネットが悪いとは言いたくない。スポーツ選手や芸能人に対する脅迫や嫌がらせは、ずっと以前から存在したからだ。殺人事件の凶器が包丁であっても悪いのは包丁でないのと同じように、誹謗中傷で悪いのはSNSやインターネットではなく、投稿する人の言動だろう。

 怒りのピークは6秒間といわれる。投稿する前に6秒数えて、この投稿が誰かを傷つけないか、冷静になって考えることはできないだろうか。

 もう、こんなことは終わりにしませんか。誰かを傷付けていい道理なんてない。そして、何かが起こってからでは遅すぎる。(伊藤昇)