2020.5.21 05:03

開星・野々村監督、夏の甲子園中止に物申す「3年生は命がけ…それをなくしていいのか」

開星・野々村監督、夏の甲子園中止に物申す「3年生は命がけ…それをなくしていいのか」

日本高野連の姿勢に疑問を呈した野々村監督。高校球界のご意見番だ

日本高野連の姿勢に疑問を呈した野々村監督。高校球界のご意見番だ【拡大】

 夏の甲子園大会中止の決定を受け、開星(島根)の野々村直通監督(68)が20日、「命がけでやってきた3年生の機会がなくなった。それでいいのかということ」と発言。数々の直言で話題をまいてきた名物監督が代替大会の重要性を語った。

 前監督の不祥事による辞任で3月に8年ぶりに監督に復帰した。しかし、野々村監督は春休みから2週間だけ練習を見ただけで、活動休止に追い込まれた。そして夏の甲子園大会が中止。6月からようやく活動を再開できそうな状況だっただけに納得できなかった。

 「3年生の思いがあるので、どういう状況でもチャレンジせずに終わるのはね。(屋)外の競技で3密もなく離れた状態。言いたいのは、3年生は命がけでやってきている。それをなくしていいのかということです」

 選抜中止のときは「(日本高野連が最後まで)開催の道を求めていた。『夏があるよな』と3年生にも言えた」というが、今回は落胆だけ。

 「生徒の命が大事というのは確かにそうなんだけど。(夏の甲子園が)中止になるかもしれないが、どうやったらやらせてあげられるかが、(事前に球児に)伝わっていれば。今年だけはしようがないよな(という雰囲気)だったような気がする」

 親交のある青学大陸上部・原晋監督がツイッターで「しかし、これからの日本を背負う若者がスポーツを通じて人格形成を養う大切な徳育の場が失われることがあっていいものか!?」などと発信。「高校野球も陸上もできる。なんでやめるの、ということでしょう」と共鳴したという。

 大学、プロに行ける選手は一握り。9割は燃え尽きて、これが最後の野球の場になるだろう、という思いがある。

 「熱中症(が心配)とかいうのなら今年だけベンチ入り(メンバー)を18人から25人に増やすとか、そういう規約を作れないのかな。球数制限もあるんだから」

 開星の場合、残る希望は島根独自で行う代替大会になる。県高野連は7月10日から24日の当初日程を、7月末まで視野に準備している。「私は来年があるが、彼ら3年にはないんだから。県大会はぜひ可能にしてほしいですね」と期待した。

野々村直通(ののむら・なおみち)

 1951(昭和26)年12月14日生まれ、68歳。島根県出身。大東高から広島大に進み、4年時に大学選手権に内野手で出場。府中東高監督として79年選抜大会初出場。松江日大高から88年に松江第一高(現開星高)監督。2010年の選抜初戦で21世紀枠校に敗れ「末代までの恥」「腹を切りたい」と発言し、物議をかもし辞任。11年復帰、12年に再び辞任。20年3月に復帰。甲子園出場は春3、夏7度の計10度。通算3勝10敗。