2020.5.19 10:00(1/3ページ)

【持ち回り編集長】阪神期待の長距離砲、D2位・井上が壁打ち破る 掛布以来の高卒新人弾挑戦

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阪神期待の長距離砲、D2位・井上が壁打ち破る 掛布以来の高卒新人弾挑戦

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阪神D2位・井上

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 虎の歴史をブチ破れ! 各球団の担当記者が1ページをプロデュースする特別企画、今回は昨秋のドラフト会議で球団として53年ぶりに高校生を1~5位で指名した阪神の“ルーキー本塁打”に注目。過去4人しか打っていない高卒新人のアーチに期待の長距離砲、ドラフト2位・井上広大外野手(18)=履正社高=らが挑む。(取材・構成=菊地峻太朗)

 新型コロナウイルスの影響で遅れている開幕は最短6月19日が見込まれる。試合数は143試合から減る方向で、当面は無観客。異例のシーズンにはなるが、阪神で注目したいのが球団53年ぶりにドラフト会議で1~5位を独占した甲子園の星たち。特に、野手だ。

 ドラフト制(1966年)以降、阪神で高卒野手が1年目に1軍出場したのは8人だけで、最後が97年の浜中治(前打撃コーチ)。さらに本塁打は、投手の江夏豊を含めて、わずか4人しか打っておらず、74年の掛布雅之(現HANSHIN LEGEND TELLER)までさかのぼる。甲子園でとなると68年の川藤幸三(現OB会長)の1本だけだ。

 今年こそ、そんな壁をブチ破れ! 筆頭候補が昨夏の選手権で星稜高・奥川(ヤクルトD1位)から特大弾を放ち、履正社高を初の甲子園Vに導いたD2位・井上だ。

 デビューから衝撃だった。右足首捻挫の影響で高知・安芸での2軍キャンプは別メニューでスタートも、2月15日の四国銀行との練習試合(安芸)に代打でデビュー。初球をとらえ、左翼防球ネットに直撃する推定120メートル弾を放った。

 さらに3月7日の日本ハムとのオープン戦(甲子園)で1軍初出場。翌8日の巨人戦(甲子園)では、途中出場して3-4の八回に、左中間へ同点二塁打を放った。

 「(無観客だったが)ファンの皆さんの前で打ったら大歓声が聞ける。一日でも早くその歓声を聞けるように努力したいと思います」

 伝統の一戦での1軍初安打&初打点に胸を張れば、矢野監督も「こっちが使いたいなっていうものを残してくれれば(シーズン中の昇格も)ありうる」と期待を寄せた。

 阪神の高卒新人のオープン戦安打は2006年の前田大和(現・大和=DeNA)以来。複数試合出場も大和(2試合5打数1安打)以来で、3月以降のオープン戦出場は1992年の萩原誠以来、28年ぶりだった。

 コロナ禍で活動休止になるまで2軍では4番を託され、実戦20試合で、はや4発。自主練習再開後は打撃で下半身を使うために重心移動を意識し、外野手ながら内野ノックを多く捕って肉体を強化。三冠王3度の落合博満氏や楽天・浅村、広島・鈴木誠、巨人・岡本ら右のスラッガーの映像も徹底的に見て、バットの出し方や下半身の使い方を研究している。

 井上だけでなく、3月7、8日にはD4位・遠藤(東海大相模高、2打数無安打)、同8日にはD5位・藤田(中京学院大中京、1打数無安打)も1軍出場。今年の高卒野手は面白い。2020年こそ、長らく閉ざされてきた虎の歴史の扉が、開かれる-。

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