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【秋山的思考法 後編】秋山のタフネス構築論 限界に挑め、そして超えろ

【秋山的思考法 後編】

秋山のタフネス構築論 限界に挑め、そして超えろ

特集:
秋山翔吾
3月のオープン戦でけん制死した秋山。アウトになったが、リードの“限界”を把握できたはずだ(共同)

3月のオープン戦でけん制死した秋山。アウトになったが、リードの“限界”を把握できたはずだ(共同)【拡大】

 米大リーグ、レッズの秋山翔吾外野手(32)が少年世代に向けて語る『秋山的思考法』。前編では“秋山流ランニング論”を説き、一見時代に逆行する理論の真意を明かした。後編のテーマは「限界を超えろ」。西武時代にパ・リーグ最多で歴代2位の739試合連続フルイニング出場記録をつくった“鉄人”は、限界の先まで追い込む鍛錬が成長につながると訴えた。(取材構成・山田結軌)

 時代にそぐわない考えに聞こえるかもしれない。本連載の前編で、秋山は「ランニング」を重要視していることを明かした。その理由の一つに挙げたのが精神面。けがをするギリギリ手前まで修練することが、なぜ必要なのか。こう説明する。

 「プレーできないほど故障してしまう、そのラインを知るために『ここまでやったらけがをする』『ちょっとやり過ぎたな』というところまでやる経験が必要。どこまでやれば、けがをするレベルなのかを知る、というところまでやる経験が必要に感じます」

 もちろん「けがをしない」ことが大前提。その上で「けがをしない、したくない、ということだけを考え過ぎて、それに甘えて自分の限界の一歩も、二歩も手前で(練習などを)やめてばかりいると、自分のラインが下がっていくだけ」と付け加えた。

 自身の最大値を上げ、成長するには“限界のその先”まで踏み込むことも、ときには必要だという。

 「例えば、腹筋30回というメニューを30回でやめるのか31回までやるのか。その2人の意識の差は絶対に出る。ただ単に回数の差だけじゃない。意識の差が積み重なったその先に、大きなことを成し遂げる人間か、はいそこまで…という人間で終わるか。僕はそう思います」

 西武時代は、同僚選手も舌を巻くほどの豊富な練習量で知られた。秋山はシーズンの試合後にも投球マシンと向き合い、バットを振る。大きな故障もなく、2014年9月6日から昨季終了まで続けた739試合フルイニング出場は歴代2位(1位は金本知憲で1492試合)。高い意識が実績につながったが、練習熱心、ストイックという周囲の評価を本人は否定する。

 「一つ収穫するのに時間がかかるだけ。僕が不器用なだけです。接触の悪い電気みたいなもの。でも、一度つながったら長い間、その電球はついているはず」

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  • 今月16日、32歳の誕生日にケーキを食べた秋山(ルーク篠田通訳提供)