2020.4.30 15:53

【球界ここだけの話(1949)】“松坂外伝”同世代の仲間が明かした知られざるエピソード

【球界ここだけの話(1949)】

“松坂外伝”同世代の仲間が明かした知られざるエピソード

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
引退セレモニーで中日・松坂大輔(左)と小池正晃コーチ(右)から花束を受け取り涙ぐむDeNA・G後藤武敏=2018年9月22日・横浜スタジアム(撮影・斎藤浩一)

引退セレモニーで中日・松坂大輔(左)と小池正晃コーチ(右)から花束を受け取り涙ぐむDeNA・G後藤武敏=2018年9月22日・横浜スタジアム(撮影・斎藤浩一)【拡大】

 プロ野球の開幕日は決まっていないが、14年ぶりに西武に復帰した松坂大輔投手(39)のプレーを楽しみにしているファンは多いはずだ。

 これまで数々の名勝負を演じてきたが、今回のコラムでは記者の取材ノートに記されている、松坂の仲間が語った知られざる“怪物エピソード”を紹介する。

 最初の証言者は横浜高、西武で松坂とプレーした楽天の後藤2軍打撃コーチ(以下後藤)だ。横浜高が夏の甲子園を制した1998年、その県大会前に後藤はシート打撃で初めて松坂と対戦した。

 「ごっちゃん(後藤の愛称)、まっすぐいくよ」

 マウンド上の松坂から宣言されたにもかかわらず、後藤はバットにかすりもしなかったという。「オール予告直球の3球三振。こんなことは初めてでした。ボールの軌道をイメージして振っても、球はグオーッと伸びてバットのはるか上を通過。松坂との真剣勝負に燃えていたんですけどね」。今でもあの衝撃は忘れられないという。

 そして西武の赤田打撃コーチ(以下赤田)も、怪物にねじ伏せられた一人だ。同年10月の「かながわ・夢国体」の準々決勝で4番・赤田が率いる日南学園は横浜高と対戦した。その時点で高校通算49本塁打だった赤田は、高校生活最後の大会ということもあり、節目の50本目は初めてガッツポーズをしてベースを周ることを決めていた。

 その第1打席、赤田は右方向へ大飛球を放った。手応えは十分で、解禁したガッツポーズを作って走り出したが、打球は風に戻されフェンス最上部に直撃。このとき、右翼にいたのが甲子園での疲労から先発マウンドを外れていた松坂だった。赤田は慌てて一塁を蹴ったが「大輔が矢のようなすごい送球をして、二塁で楽々アウトになりましたよ」と告白した。

 話は続く。50号が出ないまま迎えた4打席目で松坂との初対決が実現し、赤田は初球のスライダーを左翼ポール際へ大ファウル。2球目はフォークに空振り。最後は「156キロの直球で3球三振です。この球、おそらく大輔の高校時代の最速ですよ」と苦笑した。

 約1カ月後のドラフト会議で西武の1位指名が松坂、2位が赤田。現在も選手とコーチとしてチームメートだ。後藤も赤田も「松坂世代」。仲間として松坂大輔がマウンドで頑張る姿を願っている。(湯浅大)