2020.4.11 13:09

【球界ここだけの話(1934)】「静かだな…」無人のナゴヤドームで漏れた中日・与田監督の声

【球界ここだけの話(1934)】

「静かだな…」無人のナゴヤドームで漏れた中日・与田監督の声

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サンスポ記者の球界ここだけの話
中日・与田監督

中日・与田監督【拡大】

 4月3日に第5回「新型コロナウイルス対策連絡会議」が開かれ、感染が拡大する社会状況のため、一度は目指した4月24日の開幕がまた延期となった。中日は1日から全体練習を自主練習に切り替えたばかりだったが、日程や練習方法は日々、変更を繰り返して対応をしている。

 4日には1、2軍それぞれでミーティングが行われ、練習予定だった7日までを休養日にすることが伝えられた。すべての話し合いが終わった後にナゴヤドームのグラウンドで取材に応じた与田監督は、スタンドに目をやり、言葉を漏らした。

 「静かだな…」

 週末の土曜日、本来なら阪神との試合が行われていたはずだった。にぎわったであろうことは想像に難くない。もう1カ月以上も無観客の中でプレーしているのに、開幕の足音は遠ざかっていく一方。胸中で寂しさが増幅しているようだった。

 無観客試合となった2月29日以降、指揮官は致し方ない現状を受け入れながら、常々ファンへの思いを口にしてきた。印象的だったのは3月3日、ナゴヤ球場での西武戦の試合前練習中だ。

 「ここのブルペンってフェンスと近いでしょ? 投げていたらファンの人が『与田くん、与田くん』って声をかけてくれるの。いま肩作ってるんだよ、って思いながらも、やっぱりうれしかったよね」

 何気ない出来事も鮮明に覚えている。いまはそんな励ましの声も直接耳にするのが難しい状況だ。開幕の見通しが立たない、いわば目標のない自主練習期間をどのような思いで過ごしていくのか。

 「プロ野球をファンの皆さんにお見せする、喜んでいただくという仕事ですから。仕事としてファンの方にしっかりとした野球をお見せする。早くあの大歓声を聞きたいと思いますし、それを毎日毎日、信じながら生活していますけどね」

 10日には愛知県独自の緊急事態宣言が発令されたばかりで、厳しい状況は続く。だが国難を乗り越えた先で、大歓声を浴びる日常が戻ることを信じて、来たる2020年シーズンへの準備を進めていく。(須藤佳裕)