2020.3.30 13:00

【球界ここだけの話(1923)】阪神育成D1位・小野寺が入寮時から見せていた覚悟

【球界ここだけの話(1923)】

阪神育成D1位・小野寺が入寮時から見せていた覚悟

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アピールを続ける阪神・小野寺

アピールを続ける阪神・小野寺【拡大】

 赤丸急上昇のルーキーがまた魅せた。阪神の育成ドラフト1位・小野寺暖外野手(22)=大商大=が、24日のDeNA戦(横浜)で、2安打3打点と大暴れ。支配下登録へ、猛アピールを続けている。

 「開幕が遅れたことで、僕は1軍にいられると思っている。この運を逃さないようにしていきたい。数少ないチャンスで、結果を残して1軍に残りたい」

 “持ってる”若虎の快進撃は5日、母校・大商大と行われた練習試合(鳴尾浜)から始まった。矢野監督が見守った“御前試合”で、バックスクリーンへ放った豪快な一撃を含む、2安打2打点。虎将に向け、鮮烈なアピールを遂げると、1軍デビューとなった15日のオリックス戦(京セラ)でいきなり二塁打を放った。そして、再昇格を果たしたDeNA戦では1軍初打点。勝負強さを遺憾なく発揮し、支配下登録どころか、その先の開幕1軍まで狙えるほど、その存在感は光っている。

 「自分は育成スタートということで、一発目からどのような印象を持ってもらうか。1月から調整というよりアピールの場だと思っている」

 思い返せば、1月6日、鳴尾浜に入寮した瞬間から、一人だけ目の色が違っていた。支配下指名を願った昨年のドラフト会議。プロ野球選手として道は開けたものの、支配下での指名はかなわず、「母子家庭なので育成と支配下では全然違う」と記者会見では何度も涙。女手一つで育ててくれた母・由子さんに楽をさせたい-。虎の穴の門戸をたたいたときから、その一心だった。

 入寮時に携えたものは母への思いに加え、もう一つ。「スタートのときは、高校でも大学でも丸刈り。今回も『丸刈りじゃないとアカンやろ』と」。気合の五厘刈りは、大商大野球部の同級生が、一人ずつ刈ってくれたもの。母校の魂を頭に刻み込んでいた。

 「プロでしっかり活躍して、母には庭で畑ができるような、大きな家を送りたいですね」

 大きな目標へのスタートラインはすぐそこまで見えてきた。育成からの下克上-。小野寺の歩みは止まらない。(原田遼太郎)