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プロ野球開幕危機…阪神・藤浪のコロナ陽性に球界衝撃、集団感染の可能性も

プロ野球開幕危機…阪神・藤浪のコロナ陽性に球界衝撃、集団感染の可能性も

藤浪と球団の最近の動き

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 「においがしない」

 ワインやコーヒーのにおいを感じなかった。耳鼻咽喉科と内科を受診し「花粉症など季節特有のアレルギーの疑い」と診断されたが、一夜明けた25日も変わらなかった。コーヒーの香りがわからない-。倦怠(けんたい)感や発熱、せきなど目立った症状はなかったが、チームドクターに相談した。別の耳鼻咽喉科を受診すると「(新型コロナウイルス感染の)可能性がある」とPCR検査をすすめられ、この日、大阪府内の病院で陽性と診断された。

 谷本副社長は「(NPBとJリーグの)専門家の先生方を入れた対策、連絡会議でもそういう症状は言われていなかった。ノーケアでした、嗅覚とか味覚の不全が起こるというのは」と情報がなかったと説明。だが、周辺でも異常があった。

 藤浪に直近2週間の行動を確認すると、14日に複数のチームメートと夕食をともにしていたことが判明。うち1人が「そう言われれば、みそ汁の味を感じないかもしれません」と味覚障害を覚え、もう1人は前夜「ピンピンしています」と話していながら、この日の朝になり「そう言われるとやっぱり味を感じない気がします」と訴えた。ともに病院へ向かった。

 最近になり、同ウイルスに感染した場合、味覚や嗅覚に障害が出ることが確認されている。谷本副社長は「それ(公表)は12球団でルールを決めている。社会的にも責任ある立場の人間なので」とし、検査を受けることを公表していた。

 阪神は球団施設をアルコール消毒し、4月1日までの1週間、活動休止にすると決めた。日本の主要プロスポーツ選手で初の感染。藤浪は前日25日も甲子園での練習に参加しており、複数の濃厚接触者がいるとみられる。集団感染の危機に直面した。

 プロ野球は当初の3月20日から、4月10日以降、そして4月24日と開幕延期を繰り返し発表してきた。国内での感染もさらに拡大し、明るい兆しが見えない。

★新型コロナウイルスの検査

 国内では「リアルタイムPCR法」と呼ばれる検査が行われている。喉を綿棒でこすって採取した粘液や、たんに含まれるウイルスに特有の遺伝子配列を、専用の装置で増幅して検出する。増幅するには、採取した検体に試薬を加えて温度を上下させる操作が必要で、結果が出るまでに4~6時間程度かかる。感染初期などでウイルス量が少ないと検出できない場合もある。

  • 前日25日、甲子園で行われた阪神の練習風景。藤浪(左から3人目)は嗅覚の異変を感じつつも、通常通り投手陣の輪に加わっていた