2020.3.3 13:00

【球界ここだけの話(1897)】DeNA・オースティン2連発デビュー翌日…夕暮れの室内練習場に梶谷の覚悟を見た

【球界ここだけの話(1897)】

DeNA・オースティン2連発デビュー翌日…夕暮れの室内練習場に梶谷の覚悟を見た

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サンスポ記者の球界ここだけの話
DeNA・梶谷

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 それは、にぎやかな一日だった。2月16日、12球団の先陣を切って沖縄セルラーで行われた巨人-DeNAのオープン戦初戦。「2番・右翼」で出場したDeNAの新外国人、タイラー・オースティン内野手(28)=前ブルワーズ=が、初打席の初球から2打席連続本塁打を放ち、3打数3安打の衝撃デビューを飾ったのだ。

 視察した他球団スコアラーを「衝撃的。(元ヤクルトの)ボブ・ホーナーのよう」と震撼(しんかん)させ、スタンドのファンも大盛り上がり。これぞプロ野球。試合後はテレビカメラにも囲まれ、華々しい一日が終わった。

 2月からDeNA新担当となった記者も初めての1面記事を書き、あわただしく翌日を迎えた。その日は1軍キャンプ休日。キャンプ地・宜野湾では2軍の練習試合が行われた。一通りの取材を終えた記者は、球場を後にしようとしたそのとき、明かりのついた室内練習場の前で思わず足を止めた。

 誰もいない夕暮れの室内。一人、黙々とマシンの投球を打ち返す梶谷隆幸外野手(31)の姿があった。新たに取り組むフォームを一球一球確認しながら、その数は200球を超えていただろう、マシンと乾いた打球音だけが響き渡っていた。

 プロ14年目。2013年から5年連続で2桁本塁打をマークし、14年には39盗塁で盗塁王にも輝いた実力者だが、直近2年は度重なる故障に悩まされ現在、定位置は確保されていない。

 オープン戦初戦、オースティンが華々しいデビューを飾る中、梶谷は途中出場でわずか1打席凡退に終わっていた。これぞプロ野球。努力したことが評価されるわけではない。結果がすべて。それでも梶谷は、他のライバルたちがリフレッシュに充てているであろう時間に一人、バットを振っていた。

 3年ぶりに1軍で迎えた春季キャンプ。梶谷は「他を蹴落としても、レギュラーをつかみにいく」と口にしていた。華やかな世界だけじゃない。夕暮れの室内練習場に、プロとしての生きざまとその覚悟を見た。(浜浦日向)