2020.1.31 05:00

【記者とっておきの話】退任後はユーチューバー!?原監督の柔軟な発想に感服

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退任後はユーチューバー!?原監督の柔軟な発想に感服

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巨人・原辰徳監督

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 発想力にはいつも驚かされる。巨人・原辰徳監督(61)のことだ。ある日の取材。監督退任後に話が及ぶと、候補に挙げたのは、なんとユーチューバー転身だった。「やろうか。野球が終わったら、いろんな友人たちを訪ねてね」。そう言うと、ニヤリと笑った。

 昨年9月、野球評論家の高木豊氏(61)のインタビューに答える形で、同氏のYouTubeチャンネルの動画に友情出演。現役監督の、しかもシーズン中の出演は極めて異例だが、高木氏とは同い年で親交が深く、すぐに実現が決まったという。指揮官はその反響の大きさから、未知だったメディアの可能性を肌で感じ取った。

 「利益が出たらどこかに寄付しよう」というぐらいだから、仕事としては考えていない。狙いは若年層へのアプローチだ。「若い人たちに伝道できる。これは大事なことだよな。われわれができるのは経験を伝えていくこと」と言った。

 日頃から原監督は野球人口の減少に胸を痛めている。高校野球に球数制限やDH制の導入などを提言したのも、少しでも野球をやる、そして続ける子供たちが増えてほしいとの思いからだ。

 既存のメディアだけでは届きにくい世代にどう魅力を伝えるか。野球の未来を真剣に考えた結果、ユーチューバー転身案をぶち上げる柔軟性には感服するほかない。ただ、逆に言えば、新聞の限界を監督から突き付けられたとも言える。新聞が生き残る道も、見つけないといけない。 (おわり)

伊藤 昇(いとう・のぼる)

 2009年入社。五輪担当、サッカー担当を経て16年からプロ野球担当に。ヤクルトや侍ジャパンなどを取材し、19年から巨人担当キャップ。食べ歩きと雪山をこよなく愛すが、増え続ける体重が今の悩み。