2020.1.19 13:00

【球界ここだけの話(1860)】赤ヘル伝説のエースが語る現代の投手の理想とは

【球界ここだけの話(1860)】

赤ヘル伝説のエースが語る現代の投手の理想とは

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
現役時代の外木場義郎氏

現役時代の外木場義郎氏【拡大】

 3度のノーヒットノーランを達成した男、元広島・外木場義郎氏(74)=野球解説者=が現代の先発投手についてもの申した。

 「私の時代は先発投手は責任を持って最後まで投げ切るのが当たり前だった。今は分業化が進んでいることも理解できるが、中6日で、6回、7回で降板していては物足りない」

 沢村栄治(故人、巨人)と並ぶ通算3度の無安打無失点試合(1完全試合)を記録するなど、広島ひと筋15年で131勝138敗3セーブ、防御率2・88をマーク。1975年には20勝を挙げ最多勝と沢村賞を受賞する活躍で球団のセ・リーグ初優勝に貢献するなど、まさにエースだった。

 1メートル75、78キロと投手としては小柄だったが、右のオーバーハンドから投じる剛速球とドロップ、そして強い闘争心がハンデを補った。古き良き赤ヘルの一例として「私が投げた試合で水谷(実雄氏)が九回にあと1人のところで簡単な外野フライを落とした。捕っていれば勝てた。べンチに戻ったときにお前、何やってくれてんだと。昔は同僚でもけんかした」と懐かしむ。

 エースとしてすべての勝敗を背負う覚悟で通算118完投、同27完封を積み上げた。昨年10月に沢村賞が19年ぶりに該当者なしとなったことについて「今の時代は“10完投”は難しい。新しい基準を作った方がいい」と提言。現在の15勝、150奪三振、10完投、防御率2・50、200投球回、25試合登板、勝率6割の7項目について再考すべき時期にきているのかもしれない。

 現在は解説者として野球への情熱を燃やし続ける同氏は広島の地元テレビやラジオで活躍中。16日には広島・廿日市市の大野練習場での合同自主トレを電撃視察し、大瀬良大地投手(28)らを激励した。

 「俺が投げる日は中継ぎを休ませるという気持ちを持ってほしい」

 後輩たちが真のエースと呼ばれる日を心待ちにしている。(柏村翔)