2020.1.6 05:00

【記者とっておきの話】カニ食べよう♪陽気な助っ人との忘れられない札幌の夜

【記者とっておきの話】

カニ食べよう♪陽気な助っ人との忘れられない札幌の夜

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記者とっておきの話
札幌市内で食事に出かけた帰り道。ケニス・バルガス内野手(右)と浜浦日向記者

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 米大リーグ通算35本塁打の大砲にとって、無念の1年だった。ケニス・バルガス内野手(29)は昨季ロッテに入団したが、35試合の出場で打率・179、1本塁打、6打点に終わり、1年で退団となった。

 忘れられない夜がある。昨年5月の札幌遠征中、通訳との食事の席に招いてもらった。「カニに挑戦したい」という本人の希望で入った料亭。丸太のような腕で懸命にカニみそをほじる姿が印象に残っている。主砲の井上に教わった箸使いで、イカの刺し身、ホッキ貝も平らげ「俺はもう日本人だ」と笑った。

 2軒目のバーでは、一番高価なウイスキーと葉巻を勧められた。不振で出場機会が激減していたバルガスは、グラスを傾け「どうせ出ていないから、最近は球場入りしてもメンバー表を見ないんだ」とポツリ。普段は底抜けに陽気な男の本音に驚いた。

 「母国(プエルトリコ)では、土地や資産運用で年間約2億円のもうけが出る。だからお金は関係ない。できるなら何年でも、日本でやりたいんだ」。薄暗い店内で聞いた一言は、胸に突き刺さった。

 多いときには週8度、ラーメン店に通うほど大好きになった日本。ただ、やはり助っ人は結果が全て。願いかなわず、バルガスは日本を離れた。

浜浦 日向(はまうら・ひゅうが)

 2017年入社。整理部を経て18年から運動部、19年1月からロッテ担当。都江戸川高時代は捕手で、2年夏からベンチ入り。東洋大時代は、アルバイトでヤクルトの打撃練習の捕手を経験した。