2019.12.31 15:03

【球界ここだけの話(1842)】巨人でイチ流トレが浸透した理由 背景には計算され尽くした“配置の妙”が

【球界ここだけの話(1842)】

巨人でイチ流トレが浸透した理由 背景には計算され尽くした“配置の妙”が

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サンスポ記者の球界ここだけの話

 巨人では今季途中から東京ドーム内の一室に「初動負荷」のトレーニング器具が導入され、5年ぶりのリーグ優勝に大きな影響をもたらした。今年3月に引退したイチロー氏らが現役時代に取り組んだことでも知られ、坂本ら主力も取り組んだ様子については12月18日付のコラム「球界ここだけの話 巨人・坂本の“変化”を支えた初動負荷トレ」などにも記されているが、選手にうまく受け入れられた理由について「作戦勝ちでした」と話すのは巨人でトレーナーを務める久村浩・育成担当フィジカル統括だ。

 巨人がこのトレーニング器具を導入したのは、一塁側ブルペンのすぐ横にある一室。実はこの配置こそが重要だったと久村氏は言う。

 「できるだけフィールドに近い方がいいというアドバイスを受けたんです。(従来の)トレーニングルームに設置してしまうと動線が悪くて。靴を脱がないといけないとか」

 久村氏は器具の導入にあたり、初動負荷理論の“総本山”である鳥取市内のトレーニング研究施設「ワールドウィング」を訪れ、約1週間にわたって研修を受けた。そこで見た映像には、現役時代のイチロー氏が試合中にベンチ裏で器具を使用する姿が映し出されていたという。ワールドウィングのスタッフからはいつでもすぐにできるようにすることが重要と説かれ、ブルペン横への設置を決定。スパイクを履いたままでも訪れることができる体制を整えた。

 同トレーニングは関節の柔軟性を高めたり可動域を広げる効果があるとされ、試合前や試合中に行うことも推奨されているという。久村氏は「即時効果があるので、坂本も試合中にしょっちゅう取り組んでいた」とうなずく。さらにブルペン横に設置したことで、救援陣が肩を作る前に手軽に利用することも可能になり、投手、野手両方にあっという間に浸透していったという。

 器具は来春のキャンプにも持ち込まれ、2軍施設にも導入が決定済み。巨人の“ボディ改革”はまだまだ続きそうだ。(伊藤昇)