2019.12.31 10:00(2/2ページ)

【データで検証19年プロ野球】大胆「守備シフト」DeNA、ゴロアウト増→年間40失点も防いだ

【データで検証19年プロ野球】

大胆「守備シフト」DeNA、ゴロアウト増→年間40失点も防いだ

DeNA・ラミレス監督

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 注目は二遊間に当たるL-Oのエリアだ。前年比で「L:46%→63%」「M:29%→51%」「N:23%→30%」「O:51%→70%」と大幅にアップしている。これまで中堅に抜けていたゴロが、打者の打球傾向を考慮することで、かなりアウトにできるようになったと推測できる。

 課題もある。DeNAは後半戦で採用したシフトはゼロ。日本ハムも15度にとどまった。DELTA社代表で主筆アナリストの岡田友輔氏は「シフトを導入したばかりの今季は投手に抵抗感があるため、徐々に減ってしまったのではないか。ただ、現場やフロントの理解が進めばMLBのようにさらに増える可能性はある」と分析する。

 DeNAは専門の部署を設けるなどデータ分析に力を入れている。来季は守備シフトの網にかけて、してやったり…という場面が、さらに増えるかもしれない。

★メジャーは

 米大リーグでは2015年頃から守備シフトが急増している。10年には30球団で3323度、全体の1・8%程度だったが、19年には5万2858度で28・3%と右肩上がりだ。アウトにする割合をわずかでも上昇させようと各球団が知恵を絞っており、この傾向は続きそうだ。また、対策としてフライを打とうとする傾向が強まることから大味な試合になるとして、守備シフト禁止が議論され始めている。

★アナリストの目

 MLBで見られた守備シフトが日本でも登場したことから、DELTA社では2019年からシフトのデータの取得を開始した。理由は、弊社で算出している守備指標への影響を考慮したからだ。

 通常とは大きく異なる守備位置でのデータが増加すると、評価にゆがみが生じる。MLBでも守備評価に関してはシフトを別途考慮し、戦術の変化に対応できるように調整を続けている。

 シフトは打者の傾向が明らかで、走者がいない状況で効果を発揮しやすい。特に、左の強打者で引っ張る傾向が明らかな選手への効果が最も大きくなる。全ての場面ではなく、年間で失点を少しでも減らす役割を期待するのが正しい認識だろう。 (DELTA社代表・岡田友輔)

  • 3月31日の中日戦(横浜)でDeNAが対ビシエドで敷いた守備シフト。二塁ベースの左までずれた二塁手・柴田が中前に抜けそうな打球を難なく捕球してアウトにした