2019.12.31 10:00(1/2ページ)

【データで検証19年プロ野球】大胆「守備シフト」DeNA、ゴロアウト増→年間40失点も防いだ

【データで検証19年プロ野球】

大胆「守備シフト」DeNA、ゴロアウト増→年間40失点も防いだ

3月31日の中日戦(横浜)でDeNAが対ビシエドで敷いた守備シフト。二塁ベースの左までずれた二塁手・柴田が中前に抜けそうな打球を難なく捕球してアウトにした

3月31日の中日戦(横浜)でDeNAが対ビシエドで敷いた守備シフト。二塁ベースの左までずれた二塁手・柴田が中前に抜けそうな打球を難なく捕球してアウトにした【拡大】

 DeNAは今季から、相手打者の傾向によって守備時に陣形を大きく変える「守備シフト」を本格的に採用した。狙い通りに打球が守備の網にかかればしてやったりだが、がら空きのスペースが発生するリスクもある。米大リーグが流行の発信源であるこの戦術は、果たしてどれほどの効果があるのか。プロ野球のデータ分析などを手がける「DELTA社」の協力により、数字で検証する。 (取材構成・伊藤昇)

 4月28日の巨人-DeNA(東京ドーム)。巨人が7-2とリードし、八回1死走者なしで打席に坂本勇が入ったところで、DeNA・ラミレス監督が動いた。二塁手・中井を打者から見て大きく左に寄せ、二塁ベースを超えて二、三塁間に。打球はまさに中井の元へ転がり、坂本勇はアウトとなった。

 このような極端に守備位置を変える守備シフトを見る機会が今季は増えた。過去にも右半分に野手6人を置く「王貞治シフト」のように特定の打者に用いるケースはあったが、データを基に平均的な打者にも応用するのが近年の傾向だ。セ・リーグで積極的に採用したDeNAを例に、効果を振り返る。

 DELTA社の集計によると、今季DeNAが極端なシフトを敷いたのは28度。両リーグ最多は日本ハムの100度だが、3位以下はオリックスと阪神が3度、続く楽天が1度しかない。昨季は全チームで守備シフトがほとんどなかった。

 その中で、昨季と比べてゴロ打球処理率(ゴロの打球をアウトにした割合)が最も上がったのがDeNAだった。今季は73・8%で3・2ポイントも上昇。続く日本ハムは73・9%で1・8ポイント増えた。DeNAは前年比で56・5個(日本ハムは29・4個)もゴロアウトが増えた計算。失点に換算すると40点(同21点)分を減らしたことになる。

 もちろん、バッテリーの戦術や野手の守備力向上もゴロ処理率を上昇させた要因になり得るため、全てがシフトの効果によるものではない。ただ、シフトを多く採用した2チームがトップ2を占めたのは興味深いデータといえる。

 次に、フェアゾーンをホームから外野方向へ22分割したエリア別のゴロ処理割合を図1で見てみる。「C」が三塁線、「X」が一塁線を表す。通常は必然的に内野手の定位置付近のエリアは処理率が高く、一、二塁間、二遊間、三遊間は低くなる。

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  • DeNA・ラミレス監督