2019.12.15 18:00(4/5ページ)

【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】不思議な人事あり…掛布雅之氏の再雇用は矢野監督の求心力にも影響

【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】

不思議な人事あり…掛布雅之氏の再雇用は矢野監督の求心力にも影響

特集:
「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
OB総会の懇親会に出席し阪神・近本光司(右)を激励する掛布雅之氏

OB総会の懇親会に出席し阪神・近本光司(右)を激励する掛布雅之氏【拡大】

 つまりオーナー主導の人事なのですが、再雇用に動いた背景には同オーナーに対するチーム内外からのさまざまな声があったといいます。まず阪神OBの動き…。現在のOB会は“掛布派”といわれる人たちが圧倒的で、なかでも大物OBのひとりは掛布氏の後継人的な存在です。その大物OBは藤原オーナーとの会食の席で掛布氏の存在意義を強く訴え、タイガースの歴史と伝統や生え抜き選手たちをもっと大事に扱うように諭したといいます。

 さらに関西の経済界の重鎮らからも「掛布氏を野に放つのはもったいない。何をお考えか」といった意見が同オーナーに多く寄せられたのです。

 さらに同時期にはチーム生え抜きで16シーズンを過ごし、通算2085安打を記録した鳥谷敬内野手の退団騒動が進行中でした。阪神OBや関西財界からは「掛布さんや鳥谷の扱いはひどい。もっと生え抜きのスター選手を大事にしないといけない。タイガースは何を考えているんだ」という批判が渦巻いたのです。

 藤原オーナーは昨年末にタイガースのオーナーに就任したばかりです。就任早々、掛布氏と鳥谷を同時に流失させるとなると、「今度のオーナーはタイガースの歴史と伝統を軽んじ、生え抜きを軽視しているのと違うか…」という“レッテル”を張られかねない事態に陥ったようです。

 さらに掛布氏の退任と鳥谷の退団というWショックは矢野監督の“孤立化”を招いている…と危惧する声があります。タイガースの歴史や伝統、生え抜きを軽視する風潮が矢野監督にもある-という声がチームの周辺に渦巻いていると言うのです。確かに今オフ、矢野監督は中日OBの井上新打撃コーチを招聘(しょうへい)し、秋季キャンプの臨時コーチとしてドラゴンズの大エースだった山本昌氏を招きました。来春のキャンプでも1・2軍の巡回臨時コーチを要請しています。清水ヘッドコーチや新井打撃コーチも中日OBで、ソフトバンクから獲得した中田も中日出身ですね。こうした“ドラゴンズ化”の人事もあって、阪神OB会など周辺の人たちが矢野監督から離れていってしまった…という指摘です。

【続きを読む】

  • OB総会懇親会で乾杯する左から阪神・川藤OB会長、藤原オーナー、矢野監督