2019.10.11 13:00

【球界ここだけの話(1765)】ロッテ・小島、涙のKOから成長支えた「野球ノート」

【球界ここだけの話(1765)】

ロッテ・小島、涙のKOから成長支えた「野球ノート」

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サンスポ記者の球界ここだけの話
ロッテ・小島

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 CS進出を逃したロッテの担当記者は“援軍”としてシリーズの取材に足を運ぶ。この日もまた、西武の本拠地メットライフドームを訪れると、どうしても思い出してしまう1試合がある。

 4月4日-。開幕6戦目を託された期待のルーキー・小島和哉投手(23)だったが、強力西武打線にメッタ打ちを食らい、2回7安打8失点でノックアウト。試合後「どの場面で何を投げたのか、動画を見ないとパッと出てこない。こんなに1つのアウトを取るのが難しいのかと、野球人生で一番感じた」と涙を流したのだった。

 それから3カ月、2軍で登板を重ねた小島は再び1軍のマウンドへ戻ると一転、8月以降は7試合連続3失点以内の安定した投球で、プロ初勝利を含む3勝をマーク。CSを争うチームの大きな戦力となった。

 飛躍のきっかけは、「野球ノート」にあった。もともと気づいたことがあれば書き留める習慣はあったが「2軍にいるときに、ふと思いついた」と登板中にもベンチへ持ち込み、攻守交代のたびにスコアを簡潔に記し始めたのだ。プロ1年目、全ての打者が強打者に見えていた。目の前の打者に全力投球。抑えようと思うほど慎重になり、カウントを悪くし、痛打を食らった。それが、ノートをつけることで「ああ次の打者はきょう当たってないから、無理してここは勝負しなくていいなとか、流れを考えられるようになりました」。一歩引いて、試合を見る。心にできたわずかな落ち着きが、安定した投球につながった。

 小島は今も、気づいたことをノートに書き記す。「日記のようにはしたくないので、強制はしない。気づいたことがあれば、です」。このオフには、米シアトルにあるトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」に派遣される。多くの人と出会い、学び、その“財産”は、もっと増えていくことだろう。

 最後に、これまでで一番ノートを書いた日を聞くと、すぐにあの日の西武戦を挙げた。「ページの半分くらい、埋まってました」。悔しさもまた、“財産”だった。(浜浦日向)