2019.10.10 13:53

【球界ここだけの話(1764)】巨人・坂本勇、阿部の“引退試合”で放った40号が「人生で一番」

【球界ここだけの話(1764)】

巨人・坂本勇、阿部の“引退試合”で放った40号が「人生で一番」

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サンスポ記者の球界ここだけの話
ベンチに下がる巨人・阿部(中)と握手する坂本勇

ベンチに下がる巨人・阿部(中)と握手する坂本勇【拡大】

 “師”との思い出を紡ぐ節目のアーチは、巨人・坂本勇人内野手(30)の心に深く刻まれた。

 「僕の人生の中でも一番、思い出に残る試合です」

 今季限りで現役引退する巨人・阿部慎之助捕手(40)に敬意を表し、「ありがとう 慎之助」と銘打たれた9月27日のDeNA戦(東京ドーム)。「2番・遊撃」の坂本勇は四回に左翼席へ40号ソロを放った。今季142試合目で「夢だった」という大台に到達。記録以上に、阿部の“ラスト”に花を添えられた喜びが勝った。

 直後には阿部にも7号ソロが飛び出し、アーチ競演を飾った。試合中に広報が配信しているコメントにはシンプルな言葉が多い普段とは違い、「僕の夢である40号を打てた日が、今日という日、そして阿部さんと一緒にホームランを打てたことが最高にうれしいし、感動です」と感情の高ぶりが表れていた。

 19歳だった1年目のオフからグアム自主トレに連れていってもらい、伝統球団でプレーする厳しさを教えてもらった。2014年オフには8年間チームをまとめてきた阿部から主将の座を継承。やんちゃな弟分は、常に10歳上の阿部の背中を追ってきた。

 “主将・阿部”にあこがれたのは「一番は、絶対的な成績を残していること」と感じていた。阿部は10年の44本塁打や12年の首位打者(・340)など圧倒的な打力で打線を引っ張った。坂本勇も13年目の今季は打率・312、40本塁打、94打点の堂々たる数字を刻んだ。大打者の領域に足を踏み入れる「40本塁打」を、その阿部の目の前で放ち、成長を見せたい思いがあった。

 「やったな40号!」

 ダイヤモンドを一周してベンチに戻る際、4番打者としてネクストバッターズサークルにいた阿部とハイタッチを交わした瞬間にかけられた言葉がうれしかったという。遠くに見つめていた背中に重なることができた、忘れられない一発となった。(谷川直之)