2019.10.5 14:21

【球界ここだけの話(1759)】ソフトバンク・千賀が3連敗で見つめ直したこと

【球界ここだけの話(1759)】

ソフトバンク・千賀が3連敗で見つめ直したこと

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
先発のソフトバンク・千賀=ヤフオクドーム(撮影・村本聡)

先発のソフトバンク・千賀=ヤフオクドーム(撮影・村本聡)【拡大】

 クライマックスシリーズが開幕する。ファーストステージで楽天と戦うソフトバンクの第1戦の先発は千賀滉大投手だ。工藤公康監督は「悩むことはなかった」と即答した。例年に比べ、候補が少ないこともあるが、今回のような問答無用は珍しい。今季の右腕はそれだけ「エース」の肩書が似合うようになった。

 9月6日のロッテ戦(ヤフオクドーム)でノーヒットノーラン。中5日で同12日の西武戦(メットライフ)も8回1失点で、一度は優勝へのマジックナンバーを点灯させた。8月は防御率5・40と大苦戦。見違えるような姿に、工藤監督は「何かつかんだと思う。力感を感じなくても力を入れたときと同じスピードが出ている」と目を細めていた。

 指揮官の感想に、本人も「そうみえるのなら、いい方向じゃないかなと思います」と手応えを口にした。実際に「脱力」は意識し、終盤も150キロ台後半を計測する安定感は別格。ただ、不振の時期も「投げている球は悪いとは思わなかった」と振り返る。変身の最大の理由は精神面。自身3連敗を喫した後、自分を見つめ直した。

 「いい意味で、試合に入るのをやめました」

 これまでは味方の得点を一緒に喜び、試合の流れも意識してマウンドに立っていた。「いい球を投げられていても、集中力に波があった」。そこで、試合展開から自分を切り離した。

 「ずっと試合に入り込んでいると大変。自分のやることだけを考え、大事な試合ということすら考えなかった。集中という2文字だけです」

 もうひとつ変化があった。今季はカットボールやツーシームを多投して投球の幅を広げた。倉野投手コーチは終盤の投球について「(カットボールやツーシームの)割合は減った」と解説。要所で選んだのは150キロ台後半の直球と「お化けフォーク」。新しいことに挑戦してプラス要素もあった一方、本来の武器を生かした組み立てやリズムに多少の乱れも生じていた。相手が最も恐れる本当の魅力は何か-。ひとまわり大きくなって真の姿を取り戻した背番号41にポストシーズンも注目が集まる。(安藤理)