2019.8.16 18:07

「お前で打たれたら仕方ない」宇部鴻城、サヨナラ負けで聖地を去る/甲子園

「お前で打たれたら仕方ない」宇部鴻城、サヨナラ負けで聖地を去る/甲子園

試合に破れ肩を落とす宇部鴻城の選手ら=甲子園球場(撮影・桐原正道)

試合に破れ肩を落とす宇部鴻城の選手ら=甲子園球場(撮影・桐原正道)【拡大】

 第101回全国高校野球選手権大会第10日は16日、3回戦第3試合が行われ、宇部鴻城(山口)は明石商(兵庫)に2-3で延長10回サヨナラ負け。一回に2点を先制するも八回に追いつかれると十回、1死満塁からスクイズを決められて涙をのんだ。

 敬遠を選択し、塁は全て埋まった。緊迫の十回1死満塁。マウンドに駆け寄った山本雄一郎捕手(3年)はスコアボードを見上げ、池村健太郎投手(3年)に声をかけた。

 「お前で打たれたら仕方ない。それはみんな一緒だから」

 背番号「1」の池村はこの試合の七回1死、右翼からマウンドに向かった。甲子園での初登板を1点差の接戦で迎え、八回に同点を許す。それでも山本は、池村の直球に手応えを感じていた。だから十回、満塁でスクイズ警戒の場面でも勝負を選んだ。

 「どこかで外す手もありました。でも自分は池村を信じたかった。自分のミットに投げ込んできてほしかった」

 ひとつストライクを取った山本はベンチの尾崎監督を見た。「外しますか」と確認を取ったが、ベンチも勝負の気持ちは同じだった。出したサインは直球。渾身(こんしん)の134キロは寝かせた河野のバットに当たり、すぐさま三走がホームイン。熱戦に決着がついた。

 「あのときの池村の、ホームにトスしてくる姿から本当に必死さが伝わってきて…」

 いくらぬぐっても、山本の両目からは大粒の涙があふれた。一方、生還の瞬間グラウンドに崩れ落ちた池村は、すがすがしい表情で答えた。「ボールの力で押そうと決めていたが、外の高めに投げるつもりが内に入ってしまった」。中学時代から同じチームで戦った2人。地元・山口からたどりついた聖地での挑戦は、劇的な形で幕を閉じた。

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  • 試合に敗れ引き揚げる宇部鴻城・池村=甲子園球場(撮影・水島啓輔)
  • 試合に破れ肩を落とす宇部鴻城の選手ら=甲子園球場(撮影・桐原正道)
  • 先発の宇部鴻城・岡田=甲子園球場(撮影・水島啓輔)