2019.8.16 05:00

【ルーキー記者、聖地を走る】暑いスタンドに満ちあふれる親たちの温かい心

【ルーキー記者、聖地を走る】

暑いスタンドに満ちあふれる親たちの温かい心

 入社2年目で、この夏から現場に出た武田千怜(ちさと)記者(24)が、初めて甲子園で熱戦を取材。ここまでを振り返り、紙面に入りきらなかった思いを伝えます。

 日差しが痛い。暑さからの逃げ場がない。これが噂の甲子園のアルプス席か…。初めて足を踏み入れた記者は、そこで大粒の汗を流しながら声援を送る球児の家族たちに、心を奪われた。

 「高校球児の母になりたい-」。国学院久我山(西東京)の2番・岡田和也外野手(3年)の母・美保さん(53)は、そんな夢を持ち、かなえた。自身は小学生の頃、男子に交じって少年野球チームでプレー。中学でも続けたかったが、当時は女子が野球をする環境が整っておらず、ソフトボール部へ。そのときに抱いた夢だった。

 岡田の小学生時代は単身赴任だった夫に代わり、キャッチボールなど練習の相手もした。高校に入ると、千葉・浦安市の自宅から通学時間は2時間。毎朝6時に出る愛息のために早起きして、お弁当を作って支えた。甲斐あって、岡田は西東京大会決勝で決勝打を放つなど打率・462と活躍。優勝に貢献した。

 「高校球児」を超えて「甲子園球児」となった愛息について、アルプス席で聞いた。大歓声で声がかき消される中、美保さんは照れくさそうに声を張り、「甲子園に立つ姿を見られてうれしい。夢みたいです」とほほ笑んだ。

 取材を続ける日々で、記者の父は猛暑の甲子園まで足を運んでくれた。毎朝自分の原稿をチェックし、感想を伝えてくれていたが、まさか近くで“応援”してくれるとは…。聖地のスタンドは、親たちのあったかい心で満ちあふれていた。(武田 千怜)

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