2019.8.16 05:00

【ルーキー記者、聖地を走る】実家に戻ると“お父さん”…ギョーザに包んだ兄の愛

【ルーキー記者、聖地を走る】

実家に戻ると“お父さん”…ギョーザに包んだ兄の愛

 入社2年目で、この夏から現場に出た樋口航(こう)記者(23)が、初めて甲子園で熱戦を取材。ここまでを振り返り、紙面に入りきらなかった思いを伝えます。

 スタンドを埋める大観衆、一球一球にわき上がる声援、拍手。「これが夏の甲子園か…」。自身も東京・日大鶴ケ丘の野球部でこの地を目指した記者は、黒土のグラウンドでプレーする球児たちをうらやましく思うとともに、独特の雰囲気を肌で感じながら、甲子園での初取材に臨んでいる。

 そんな中、最も気になった選手が八戸学院光星(青森)の3番・近藤遼一内野手(3年)だ。2回戦の智弁学園(奈良)戦では先制本塁打を含む4安打4打点。大舞台でも結果を残せるメンタルの強さ、フルスイングでも確実に芯で捉えられる打撃。同じ右打ちの一塁手だった記者は「高校生なのに、えげつない」と心の中で叫んでいた。

 そんな近藤は奈良の実家に帰ると、“お父さん”の顔になる。女手一つで4人の子供を育ててきた母・慶子さん(41)は「遼一が帰ってくると、家の雰囲気がより明るくなるんです」と笑う。年に数回の帰省期間中、母が仕事のある日には、15歳の妹、12歳と9歳の弟のために近藤が食事を作るという。例えばギョーザ。みずから野菜や肉などの材料を買いに行き、包丁を握る。皮を包む作業からは妹や弟と一緒に行い、焼いて食べさせてあげている。

 頼りになるお兄ちゃんの活躍は、妹と弟にとって誇らしいに違いない。仕事を終え、ようやくありついたビールとギョーザを前にして、自分も頼れる男になろうと誓った。(樋口 航)

試合日程へ組み合わせへ