2019.8.9 08:00

【小早川毅彦のベースボールカルテ】ファンにはたまらない季節だが…“野球の質”の低下を危惧してしまう

【小早川毅彦のベースボールカルテ】

ファンにはたまらない季節だが…“野球の質”の低下を危惧してしまう

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小早川毅彦のベースボールカルテ
小早川毅彦氏

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 夏の甲子園大会が開幕し、朝から夕方まで高校野球、夜はプロ野球と、野球ファンにはたまらない季節になった。

 高校野球といえば、ひたむきな全力プレー。高い入場料を払ってみてもらうプロ野球はプロならではの技術、つまり職人技が加わらなければいけないのだが、近年は残念なプレーが多くなった。

 先日は0-4とリードされているチームの打者が、五回1死から左中間二塁打を放ち、三塁を欲張ってアウトになった。際どいタイミングになるならわかるが、点差を考えると明らかに無謀な走塁。昔なら罰金を取られる走塁で、本当に野球を知っているのかと情けなくなった。

 盗塁では、二塁ベースだけを見て走る選手がなんと多いことか。たとえ盗塁のサインが出ていても、一塁走者はスタートを切った後、捕手がちゃんと捕球したのか、二塁へ送球しているのか、一度は本塁を見て確認するのが基本。絶好球が来たら打つ打者もいるから、フライになれば帰塁しなければならない。

 高校までに指導されていないといけないことだが、米大リーグでも、ほとんどの一塁走者が本塁を見ないで走っている。だから捕手が送球していないのに、二塁へスライディングする。ひどい選手になると、打者が三振してチェンジなのに滑り込む。けがのもとだ。

 近年は速い球を投げる投手が増えたものの、スタミナがない。6人で先発ローテーションを回して中6日で投げるのならば、規定投球回に達する投手が1チームに3、4人いてもいいはずだが、昨季、規定投球回をクリアした投手はセが8人でパが9人。1チーム2人が最多だった。野手は走塁にも見られるように、自身の能力だけでプレーしている選手が多いし、すぐにけがをする。

 今季はセ、パともに上位が近年にない混戦でおもしろい。一方、“野球の質”の低下を危惧せずにはいられない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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