2019.7.13 12:00

【土井麻由実のSMILE TIGERS】交流戦に見た原口選手と日本ハム・杉谷選手のつながり

【土井麻由実のSMILE TIGERS】

交流戦に見た原口選手と日本ハム・杉谷選手のつながり

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土井麻由実のSMILE TIGERS
試合前練習で日本ハム・杉谷(右)と話す阪神・原口

試合前練習で日本ハム・杉谷(右)と話す阪神・原口【拡大】

 プロ野球も前半戦が終了した。オールスターブレークのこの時期、交流戦で聞いたパ・リーグの人々と虎戦士のつながりを振り返ってみたい。

 日本ハムの杉谷拳士選手は、原口文仁選手の帝京高時代の先輩だ。原口選手に尋ねると、第一声が「あ、スギノール(笑)?」ときた。

 「杉谷さんは高校時代からあのまんま。後輩から言うのもなんだけど度胸があるし、キャプテンシーがあって元気で、声で引っ張っていく。あの代は個性が強い人が多かったから、まとめるの、大変だったと思う」。

 なつかしそうに話す。さらにはこんなことも明かしてくれた。

 「遠征に行ったら夜は一発芸大会があった。当時からお笑いのセンスがあって、おもしろかったなぁ」。

 そして真面目な表情で「でも、野球に関してはほんとすごい。左右両打席ホームランとかもね。それと、あのメンタリティは見習いたい」と、リスペクトしていると語った。

 続いて練習終わりの杉谷選手のところに向かった。

 「原口は野球に対する姿勢が真面目で一生懸命。一発芸? 原口もさせられてたけど、あいつのはおもしろくなかった(笑)。印象にも残ってない(笑)」。

 たしかに原口選手の一発芸なんて、想像もできない。と話している途中で杉谷選手、「あ、原口と写真撮ってきます。ちょっと待ってて」と言って一塁ベンチに駆けていった。どうやら原口選手がベンチに現れたことに気づいたようだ。あぁ、インスタ用の写真ね。

 2ショット撮影を済ませると「すみませーん」とまた戻ってきて、話の続きをしてくれた。

 「こうして一緒に野球ができるの、ホントうれしい。かわいいやつなんでね」。そう言ったあと、さらに「いいやつなんで」と重ねて、笑顔で引き揚げていった。

 岩田稔投手は大阪桐蔭高の同級生、西武の中村剛也選手の高校時代のことを「バッティングも守備も走塁もめちゃくちゃうまかった」と評す。

 「4番ながらよく走ってた。盗塁も2番目に多かった。相手の隙を盗むのがうまい。センスもある」。

 プロ入りは中村選手のほうが先だった。「高校から入ってタイトルも取って、ほんまいい選手」とたたえる。

 実は小学生のときに対戦したことがあり、岩田投手には「ボコボコにされた」との苦い思い出が残っているという。しかし中村選手に聞くと「えー! 全然記憶にない(笑)」とのことだ。ま、やられたほうは覚えているものだ。

 高校時代の岩田投手について、中村選手は「けがや病気と戦っていた印象がすごく強い」と振り返る。そして「セの人気球団で長いことやって、すごいと思う」と感心する。遠征で関西に来ると、スポーツ新聞を見て驚くそうだ。

 「メディアがいっぱいでしょ。ちょっとあかんかったらたたかれて…(笑)。こっちは東京の新聞で1面を飾ろうと思ったら、どれだけ大変か(笑)。注目度が違う。もちろん喜びもあるだろうけど、その半面、厳しいと思う。その中でほんと頑張っている」。

 旧友を思いやりながら、今季の活躍を喜んでいた。

 楽天の伊藤智仁投手コーチは昨年、富山GRNサンダーバーズ(BCリーグ)の監督を務めたが、その教え子が湯浅京己投手だ。NPBに入るためのイロハをたたき込んだ。

 湯浅投手のピッチングの第一印象は「これはモノが違う。ひょっとしたらNPBのローテに入れるんじゃないか。おもしろい存在だな」というものだったという。昨年はつきっきりで指導した。どんな練習を課してもへこたれず、その意味を理解してついてきたそうだ。

 「藤川(球児)のようなストレートの質、それと上背があるから角度もある」とその素質を認める一方で、「いろんなことがまだできていない。多少は時間がかかる」とも話す。

 「自分の現状を知ることが大事だし、今、何をしなくちゃいけないのか考える時間にしてほしい」。

 物理的には遠くなったが、心の距離は変わらず、今も温かく見守っている。

 湯浅投手も「お父さんみたい」と慕っている。外国人選手たちが「あっちゃんファーザー」と呼ぶくらい、ふたりは親子のごとくいつも一緒にいたようだ。フォームの修正方法やトレーニング法なども、さまざまなアイデアを凝らして教えてくれた。特に8月のミニキャンプでのマンツーマン指導は「ありがたかった。あれがあったから、最後いい結果が残せた。伊藤監督のおかげでプロに入れた」と感謝している。

 湯浅投手の記憶の中の伊藤監督は、よくゴルフのスイングをしていたそうだ。「今度はゴルフを教えてもらいたいなぁ」と、“お父さん”に会いたくてしかたないようだ。来年こそは1軍に上がり、交流戦で会えることを目標にしている。

土井 麻由実(どい・まゆみ)

CS放送「GAORA」「SKY-A」の阪神タイガース野球中継番組「Tigers-ai」でベンチリポーターとして携わったゲームは約900試合。2005年は優勝のビールかけインタビューも! イベントやパーティでのプロ野球選手やOBとのトークショーの司会は100本以上、またイベント制作も手がけています。過去には阪神タイガース公式ホームページや携帯サイト、阪神電鉄の機関紙のコラムやニュースも執筆し、現在はYahoo!でも野球記事を掲載。マイクでペンで、硬軟織り交ぜた熱い熱い情報をお伝えしています!! ツイッターのアカウントは@7mayu7mayu7。Yahoo!のページのアドレスはhttps://news.yahoo.co.jp/byline/doimayumi/