2019.7.13 14:26

【球界ここだけの話(1677)】ソフトバンクが“予想外”の独走、故障者続出も高い総合力

【球界ここだけの話(1677)】

ソフトバンクが“予想外”の独走、故障者続出も高い総合力

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サンスポ記者の球界ここだけの話
本塁打を放った上林を出迎えるソフトバンク・工藤監督 

本塁打を放った上林を出迎えるソフトバンク・工藤監督 【拡大】

 故障者続出のソフトバンクが首位でオールスターを迎えた。「穴を若手が埋めた」というのは容易でも、決して簡単ではない。工藤公康監督(56)に「前半はあっという間でしたか」と尋ねると、即答だった。

 「いや、長かったですよ。今までで一番長く感じられた」

 2位と7ゲーム差のターンは、21世紀のパ・リーグでは最大の差だ。それでも、就任5年で最も苦労した前半戦。サファテ、中村晃、岩崎、石川らを欠いて開幕した。開幕後も大黒柱の柳田が左膝を痛めると、先発の柱である東浜とバンデンハーク、残ってチームを支えた今宮や森も1軍の舞台から姿を消した。

 「コーチ、スコアラー、トレーナー。本当にいろいろな人と、いろいろな話した。自分の意見だけでなく、話をきくと見え方も変わってくる。考えるって本当に大事だなと思いました」

 指揮官はなかなかグラウンドに出てこない。試合前練習中の半分はベンチ裏。隅々まで必死にチームを見渡した結果、いまの位置にいる。後藤球団社長兼オーナー代行は「(主力が)8人くらい欠けているからね」と話し始めると、お世辞抜きでチームを評価した。

 「120点満点です。常にいい選手を上げてくるファームの育成に携わっているメンバーもレベルが高い。1軍も若手を使わざるをえないけど、どの選手をいつ上げて、どう使うのかの見極めは大事なこと。それも120点の中身です」

 育成出身の選手も多い鷹は2、3軍を含めた総合力で先頭を走るが、「起用」は選手の選択だけではない。工藤監督は「コーチが『失敗を怖れるな、失敗してもいいから』とよく声をかけてくれたのも大きい」と感謝。実際に、首脳陣が選手に話しかける場面も多い。そして、内川と松田宣の存在もかみしめた。

 「2人が先頭に立って、みんながやりやすいように雰囲気も作ってくれる。いじったり、助言をしたり。プレー以外でも支えてくれた」

 プロ野球の門をたたく選手は全員が高い素質の持ち主だ。難しいのは、能力を発揮すること。実現する機会の選択、環境を含めた総合力が“予想外”の独走の理由だ。(安藤理)