2019.6.7 08:00

【小早川毅彦のベースボールカルテ】ヤクルト16連敗、DeNA10連敗…どのチームも“明日はわが身”だ

【小早川毅彦のベースボールカルテ】

ヤクルト16連敗、DeNA10連敗…どのチームも“明日はわが身”だ

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小早川毅彦のベースボールカルテ

 ヤクルトが16連敗を喫した。どのチームも“明日はわが身”だ。

 連敗中の選手やチームの状態を言葉で表すと、「焦り」「力み」だろうか。なにくわぬ表情でプレーしているようでも、焦っていると思われたくないから平静さを装っているだけ。だから平凡な打球をエラーするなど、普段は簡単にできていることができなくなる。現在セ・リーグの首位を走る広島も、4月に借金が最大8に膨らんだ頃は失策が目立った。

 打線は取れるはずの点が取れなくなる。打者は絶好球が来ても気持ちだけがはやり、腕や足がついてこない。これが「力み」だ。

 4月に10連敗したDeNAは、だいぶ持ち直した。今月1日の試合前、ラミレス監督に連敗中の心境を聞くと、「いつもと同じように采配を振るっているつもりでも、連敗中は、本当にこれでいいのかと頭をよぎってしまうんだ」と話してくれた。おそらく、どの監督もそうなるのだろう。

 監督はチームに関するいろいろなことに最終決断を下さなければならないし、そのすべてに責任を負う。私はたとえ悪い方の目が出ても、監督が下した判断こそが正しいと思っている。そして選手として仕え、コーチとして支えた経験から、監督というのは命を削る仕事だと感じる。

 私は広島時代の1993年8月31日-9月15日に、12連敗を経験した。山本浩二監督の第1次政権の最終年で、連敗がスタートしたときは、首位のヤクルトから8ゲーム差の3位。すでに優勝は厳しくなっていた。

 時期も時期だったことから、山本監督は連敗中に選手を集め、「今年で辞める」と話した。連敗が止まっても連敗した分を取り返そうという気にはなれず、とにかく目先の試合に勝とうという気持ちしかなかった。

 今年はまだ6月に入ったばかり。今は下位に沈んでいても、目標を「優勝」から「クライマックスシリーズ進出」に切り替えて、モチベーションを保つことができる。チームもファンも幸せだ。

 今季はどのチームも不安を抱えながらやっていて、またどこかのチームが10連敗くらいしても不思議ではない。そうならないように頑張ってほしい。(サンケイスポーツ専属評論家)