2019.6.5 13:00

【球界ここだけの話(1641)】巨人・坂本勇 三振増が表す打撃の“進化”

【球界ここだけの話(1641)】

巨人・坂本勇 三振増が表す打撃の“進化”

特集:
坂本勇人
サンスポ記者の球界ここだけの話
巨人・坂本勇

巨人・坂本勇【拡大】

 思い切ってバットを振れ! とは、少年野球でも言われる打撃の基本。4日の楽天戦(楽天生命パーク)で4年ぶりに4番に座った巨人・坂本勇人内野手(30)は、それを体現している。

 今季は4日時点で打率・335がリーグ3位で、19本塁打、41打点、70安打、132塁打はすべてリーグ1位。まだ52試合だが、キャリアハイを更新する勢いだ。特に本塁打はシーズン52本ペースで、2010年の自己最多31本の更新どころか、本塁打王獲得の期待もふくらむ。本人も「この何年間かは練習から、強く遠く飛ばすことを意識してやっている。今年はたまたま試合で数多く出てくれている」と手応えを感じている。

 個人成績を眺めていると、今季の三振数「44」に目が留まった。単純に試合数で年間換算すると121三振ペース。レギュラー定着2年目で自身初めて打率3割をクリア(・306)した09年の101を超える自己最多ペースだ。ここまで239打席での44三振の三振率(三振÷打席)・184も13年間で最も高い。アーチ量産の要因は、ここにある。

 昨季セ・リーグの本塁打数で上位にいた数選手を例に取る。41本で本塁打王に輝いたDeNA・ソトは・217。39本の巨人(昨季は広島)丸は・229。38本のDeNA・筒香が・184、34本のヤクルト・山田が・186。三振率でみれば、これまでの中距離から長距離打者に変化したともいえる。

 今季の坂本勇は追い込まれても、どのコースの球に対しても、強振する姿が目立つ。軸足にしっかりと体重を乗せ、時には上体が反り返るほど力強く振り切る。狙い球を絞った結果、見逃し三振となるケースもあるが、追い込まれてから打たされたような打撃は、私が担当した5シーズンを振り返っても少なくなったと感じる。だから打球も力強い。三振が多いからといって、ネガティブではない。高打率を維持しつつ、長打を増やした打撃開眼に伴って生まれた数字といえる。

 「三振が増えたのは知っています。(ボールに)当てに行くようなスイングは嫌だなというのは、思うようになってきました。強く振ることは大事なこと」と坂本勇。三振かホームランか、ともよくいうが、坂本勇はヒットも打てば、きわどいボールを見極め四球も選ぶ。すべてはフルスイングが生み出している。スラッガーとして生まれ変わった背番号6が、どこまで個人成績を伸ばすのか注目したい。(谷川直之)