2019.5.24 08:00

【小早川毅彦のベースボールカルテ】昨年の米ドラフト1巡目指名スチュワート、日本で投げるのを早く見たい!

【小早川毅彦のベースボールカルテ】

昨年の米ドラフト1巡目指名スチュワート、日本で投げるのを早く見たい!

特集:
小早川毅彦のベースボールカルテ

 ソフトバンクが昨年の米大リーグのドラフトでブレーブスから1巡目指名を受けた、19歳のカーター・スチュワート投手と合意したというニュースを耳にして、早く投げるのを見たいと思った。

 大船渡高の最速163キロ右腕、佐々木朗希投手は順調なら、今秋のドラフトで1位指名されるだろう。日本も米国も、ドラフトで指名されるまでのシステムは同じ。しかし、入団に至るまでには大きな違いがある。

 スチュワートはメディカルチェックで手首に問題があるとされ、契約金でブ軍と合意せずに短大へ進学した。日本では、契約書にサインする前に身体検査を受けることはない。スカウトの目を信頼するしかないのだ。

 メジャーには日本でいうスコアラー単独の仕事はなく、スカウトが兼ねている。近年は球場に設置された機械によって、ボールの球速、コースやボールの回転数、打球のスピード、角度や飛んだコース、走者のリードの大きさや走るスピードなど、ありとあらゆるものがデータ化される。そのためスコアラー的な仕事は必要とされなくなり、スカウトの数は大幅に減っている。

 マイナーの選手でさえも総合評価で順位付けした「トップ・プロスペクト・ランキング」が発表され、有望株が一目で分かる。個人的には、データは参考にはなるが、あてにはならないと思っている。プレーするのは機械ではなく、人間だからだ。スカウトの“先を見る目”が、米球界では失われつつある。

 米でドラフト1巡目指名を受けて入団し、のちに日本でプレーした選手は、近年ではブライアン・バリントン(2011-15年に広島、オリックスで通算45勝)、グレッグ・レイノルズ(14年に西武で3勝)がいる。バリントンはメジャー通算1勝、レイノルズは同6勝。とても成功したとは言い難いが、1巡目に指名されるだけでもすごいことだ。

 6月に行われる今年のドラフトでも上位候補だったスチュワートが日本でプロとしてのスタートを切り、将来は米球界でプレーするとしたら、どういう形で移籍するのだろうか。彼のこれからの野球人生に興味がわく。(サンケイスポーツ専属評論家)