2019.4.21 12:00

【球界ここだけの話(1599)】ソフトバンク・釜元、育成から8年目で今季初安打から大チャンス到来

【球界ここだけの話(1599)】

ソフトバンク・釜元、育成から8年目で今季初安打から大チャンス到来

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サンスポ記者の球界ここだけの話
ソフトバンク・釜元

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 今季プロ初安打を記録したばかりのソフトバンク・釜元豪外野手(25)は19日の西武戦(メットライフ)では「2番・中堅」で出場した。初めて上位打線を任されて決勝点につながる安打も放ち、同戦後の打率は・314。もはや、離脱者が続出した外野の一角に欠かせない存在だ。

 育成選手で入団して8年目、支配下登録されて5年目。2016年にウエスタンで盗塁王も獲得した俊足が持ち味だが、打撃の成長が目立つ。昨年秋、工藤監督から体重アップを指示されてオフは必死に取り組んだ。

 「スイングの強さが足りないといわれました。とにかくおなかが空いた状態がないように、食事の回数も増やしました」

 昨年9月に結婚した夫人におにぎりを握ってもらい、一日5、6食で5キロ増量した。「スイングが強くなったといわれることが多くなったし、成果は出ているのかな」。現在は83~85キロで、監督から「82キロを切ったら2軍に落とす」とプレッシャーをかけられている。

 わずか半年前だ。昨年10月、順位が決まった後の消化試合で昇格。チームはクライマックスシリーズ(CS)に向けて戦略を練っていた。CSは通常の出場選手登録と同じで、抹消した選手の再登録に10日間を要する。CS序盤はベンチ外でも後半の戦力と考えられる選手は、CS直前と重なるシーズン終了間際は外しておくのが得策だ。

 チーム関係者は「いい方は悪いが、釜元はCSで使わないから登録している」と話していた。“穴埋め”でも釜元にとっては翌年以降のためのアピール機会。ただ、5打数無安打に終わった。オフに、支配下11人が戦力外。本人も気が気ではなかっただろう。

 そこから今季も機会をもらい、オープン戦も崖っぷちで生き残った。3月17日のヤクルト戦(神宮)で3ランを含む3安打。「きょう結果が出ないと2軍だと思った」。その通りだった可能性が高い。1カ月後、故障者が増えて大チャンスが到来した。わずかなきっかけとタイミングの差で人生がガラリと変わるのもプロ野球の面白さ。注目したい選手の一人だ。(安藤理)